「昨年2014年よりも管理職求人が増えている」と転職コンサルタントの半数が回答した。これは昨年10月、エン・ジャパンが運営する人材紹介会社集合サイト「ミドルの転職」で行われたアンケート結果で、転職コンサルタントを対象に「管理職」について聞いたものだ。
管理職を求めているのは中小企業
「1年前に比べ、管理職求人は増えているか」という質問へに対し、「増えている」と答えた転職コンサルタントは53%、「変わらない」は39%、「減っている」が8%という結果だった。
管理職の募集背景として多いもの(複数回答可)については、「組織力強化を目指したマネジメントポジション新設のため」との回答が49%と最も多かった。次いで「新規事業立ち上げに伴う責任者募集のため」(33%)、「退職者の欠員補充のため」(26%)となった。管理職求人が増えている背景には、組織力強化や新規事業の責任者として管理職を迎えたいと考える企業が増えているという現状があるようだ。
「規模」についての質問(複数回答可)では、回答で最も多かったのは「従業員数50人~100人未満」「従業員数100人以上~300人未満」の2つの項目で44%。「職種」(複数回答可)では「営業・マーケティング系」(55%)、「事務・管理系」(43%)、「経営・経営企画・事業企画系」(40%)の回答が多かった。
プレイングマネージャーとしての役割
さらにアンケートでは、「企業が管理職として入社する方に期待しているのは、どのような能力ですか」という質問もしている(複数回答可)。
結果は「プレイヤーとして高い実績を上げる能力」(53%)、「目標達成に向けた戦略立案能力」(51%)だと答えた転職コンサルタントが多かった。
具体的な回答理由をいくつか紹介すると、「プレイヤーとして高い実績を上げる能力」と答えた転職コンサルタントの理由では、「ほとんどの案件でゼネラルマネジメントではなく専門性の高いプレイングマネジメントを求められる」といったものや、「短期業績を求められる傾向にあり、中長期的な視点で組織を変えて行くことを期待されるようなポジションの募集が少なくなっている印象」というものがあった。
また「目標達成に向けた戦略立案能力」と答えた理由としては、「これまでのやり方やフローを踏襲しつつ、キャリアを活かした課題抽出・実行力が求められるため」「管理職だからこそ高額な給与を提示しているため、確実な成果を求められている。プレイヤーとしても売上を立てる力、また組織として戦略を立てる力、両面が期待されている」といったものが挙げられている。
これらの結果からは、管理職には自らが高いパフォーマンスを発揮し周囲から認められること、その上で戦略を描いて部下を引っ張っていく「プレイングマネージャー」としての役割が期待されていることが分かる。
転職を視野に入れている管理職が目指す先
日本でも景気回復の兆しが見え始め、このところミドルの中途採用市場が活況を呈している。特に事業拡大をめざす中小企業にとっては経験豊富な管理職はぜひとも手に入れたいだろう。
アンケート結果にもあるように、管理職を求めているのは「従業員数50名~100人未満」「従業員数100人以上~300人未満」の中小企業が多い。採用後に期待されるのは、「プレイヤーとして高い実績を上げる能力」や「目標達成に向けた戦略立案能力」。事業拡大を牽引していく能力のある管理職を採用しようという動きは、ますます活発になっている。
世間では「35歳転職限界説」が昔から言われているが、これは能力の高いミドルには当てはまらない。組織力を強化したい、新規事業の責任者として経験豊富な管理職を迎えたいと考える企業は増えている。時代の波に乗って大きく成長しようとしている中小企業を引っ張るポストとしての管理職ニーズは高まっているのだ。(ZUU online 編集部)
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