(写真=Thinkstock/Getty Images)
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先月、兜町でマルタイ <2919> の急騰が話題になった。同社は九州福岡市を地盤とする即席麺のメーカーで、なかでも「棒ラーメン」に強みをもつ老舗だ。福岡証券取引所に上場するマルタイが急騰した背景には、2016年3月期の上半期決算発表で増収増益に好転したことが挙げられる。

ちなみに、棒ラーメンは登山家にも人気があるのをご存知だろうか? 限られた荷物を担ぐ登山家にとって、素麺のようにまっすぐで荷物にかさ張らず、重量が他の袋ラーメンに比べて軽いのが愛される理由だという。

アジアの棒ラーメン人気で生産体制を50%増

実際、登山家に限らずマルタイ棒ラーメンのファンは多い。過去に業績が悪化したときにはインターネット掲示板でファンが「箱買いしよう!」と呼びかける応援もあったほど。また、7年ぶりに値上げしたときにも客離れはおこらなかったことからも、人気の根強さがうかがわれる。

マルタイがそれまでの事業計画を上回った要因として、前述の7年ぶりの製品値上げが浸透したことに加え、コスト削減による経営効率の改善が指摘される。しかし、一番の理由はなんといっても海外で主力製品の「棒ラーメン」人気が急上昇していることであろう。訪日外国人の増加と共に、日本のラーメン文化が海外進出していることも同社の業績を後押ししている。

海外では日本食ブームの波に乗り、台湾、香港を始めとする東南アジア諸国で棒ラーメン人気が高まりを見せている。いわゆる九州経済圏のゲートウェイとして、福岡から台湾、香港そして東南アジア諸国へと広がるパターンである。加えて、棒ラーメンがアジアの食文化との親和性が高いことも需要増加をもたらしたと見られる。

たとえば台湾、香港では有名スーパーマーケットで棒ラーメンを販売して知名度が一気に高まったが、もともと中華圏では乾麺を食するのが一般的なこと、細麺は中華系ラーメンと似ていることが人気を高める一因となった。なにしろ、同社はアジアの需要増加に対応するため生産体制の50%増強に踏み切ったほどで、それを好感した買いが株価を押し上げる結果となった。

なぜいま、棒ラーメンがアジアで人気なのか?

ちなみに、即席麺でグローバル展開している日清食品HD <2897> は中国の営業拠点を強化し、最高益を更新している。マルちゃんで知られる即席麺国内2位の東洋水産 <2875> も、海外即席麺事業部門が全売り上げの21.51%も占めており、売り上げ構成比で国内即席麺事業の28.69%に次ぐ重要部門に成長した。マルタイも例外ではなく、先に述べた通り生産機能をアップさせるほどアジアへの輸出が増加している。日本の即席麺は海外でも一般的になりつつあるほど認知されていると見て良いだろう。

即席麺だけではなく、日本のラーメン店の世界進出も著しい。いまや中国本土のみならず、台湾にも山頭火や一風堂といった有名ラーメン店が進出しているほか、東南アジア各国でも勢いを増している。こうしたラーメン店の価格は日本円にして約1000円程度。東南アジア諸国では、所得水準からすると決して手頃な値段とはいえないが、それでも人気はとどまることを知らない。

一風堂のように九州博多ラーメン店が海外進出することは、同じ九州発祥で細麺ということもあって棒ラーメン人気にも相乗効果をもたらしている。お店で食べるラーメンに比べ、庶民が日常的に手軽に楽しめる棒ラーメンの人気はまだまだ続きそうだ。(ZUU online 編集部)

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