(写真=Thinkstock/Getty Images)
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昨年、安倍総理は「アベノミクス第二ステージ」と銘打ち、新3本の矢を打ち出した。「金融・財政・成長」戦略を力強く押し出したアベノミクスの第一弾に加えて、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」を次の「3本の矢」として打ち出して、「第二のアベノミクス」として経済を重視するスタンスを示している。

その一方で、安倍政権が打ち出す政策のすべてが狙い通りに支持を得ている。そういうわけでもない。特に、「一億総活躍社会」の実現のために3.3兆円にのぼる補正予算に対して、「2016年7月の参議院議員選挙に向けてのバラマキだ」と批判する世論の声もある。

しかし、「一強多弱」と言われたこともある政治状況においては、安倍政権・自民党に方針展開を促すほどの勢いはない。行政に目を転じても、従来は最強の省庁として君臨し、時に官邸と戦った財務省の姿は鳴りを潜め、族議員を利用して政策を進めていった他の省庁も、官邸の意思決定に唯々諾々と従っているように見える。

このように省庁に象徴される官僚の存在感低下が著しいが、わが国に経済復活の必要なのは、官邸と是々非々で議論ができる、もの言う省庁、もの言う官僚なのではないか。

政権・与党の選挙対策か?続くバラマキ政策

2015年12月、政府は3兆3213億円におよぶ補正予算案を閣議決定した。今回の補正予算案には、所得の低い年金生活者向けに1人あたり3万円の臨時給付金、総額約3624億円を参議院議員選挙の前後のタイミングで現金で支給することが盛り込まれており、前出の批判を招いている。

他方で、2014年から支給している子育て世帯臨時特例給付金については、2016年度の支給を見送った。高齢者に対しては給付金を支給し、子育て世代に対する支給を打ち切る形となり、投票率の高い高齢者からの支持を広げるための参議院議員選挙対策であるとみられても仕方がない政策だ。

小泉進次郎をはじめとした自民党内からも「なぜ高齢者ばかりなのか」「バラマキのイメージが先行する」との指摘も出てきている。

また、環太平洋連携協定(TPP)対策にかかる経費についても3122億円を計上している。これも農家からの支持を得るための政策だとの指摘もあり、必要な経費ももちろん存在するが、効果があいまいな政策に予算を付けているとも受け止められかねず、財政健全化を進めるという建前にも疑問符のつく形だ。