Scott Township-John T. Wilson Home and Farm (OHPTC)

今回から、不動産からみた相続税対策についてのお話をしていきたいと思います。


税制改正で相続税の増税&適用が拡大される

ご存知の通り2013年度の税制改正によって、相続税が大幅に増税される見通しとなりました。2015年から適用されることになる、その内容について見てみましょう。


基礎控除の縮小

現行では相続税の対象となる不動産等の資産から、「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」が控除されていましたので、一般的な家庭では相続税の納付対象外となる場合が多かったようです。しかし今回の改正によって、「3,000万円+600万円×法定相続人数」と大幅に縮小されてしまいます。父・母・子2の家庭で父が亡くなったと想定してみると、今までは8,000万円の控除があったのが、これからは4,800万円(3,200万円のダウン)になります。


税率の見直し

相続人が納付する相続税額は、基本的に法定相続分×税率で計算されます。相続税の税率は法定相続分の金額に比例して設定されています。今まで最高税率は50%でしたが、これが55%となり設定の段階も見直されました。これによって法定相続分が2~3億円および6億円超の場合に、相続税が増税されることとなります。複数の不動産を所有している資産家や、広大な農地を持っている農業経営者を狙い撃ちする改正と言って良いでしょう。


一般家庭のマイホームにも影響が大きい

この中で一番影響が大きいと思われるのが、②基礎控除の縮小ですね。相続税の対象資産の中でも大きいウェイトを占めるのは、不動産です。したがって首都圏など地価が高いところでは、土地付き一戸建を所有していれば控除をオーバーして相続税を納付する可能性が高くなってきます。そこで自宅を子供たちに遺すために必要となる特例について説明していきます。