2015年10月、6度目となる追加緩和を発表した中国。既に過去最低水準に達した金利の引き下げは、中国のFinTech(フィンテック)スタートアップにとって致命傷となりかねないようだ。中国の金融調査会社、Jキャピタル・リサーチは、資本の枯渇やマージンの縮小がプライベート・セクターの収支低下を引き起こした場合、「エントリーコストの値上げに対応可能な大手企業のみが存続し、資本力の弱いP2Pスタートアップは一掃される」との懸念を示している。

Jキャピタル・リサーチ「度重なる追加緩和や資本流出の加速に加えて米国が利上げを実施したことで、失速中の中国経済にさらなる圧力がかかる」と見ている。こうした背景は中国におけるスタートアップが成長するうえで、大きな足かせとなることは間違いない。

中国ではサービス・イノベーションより資本が重要

既にアリババやテンセントといった巨大企業間で生き残り戦が開始されている中、互角に戦う勢力をもたないスタートアップ企業にとっては非常に過酷な状況だ。

銀行に取って代わろうとしているスタートアップが成功する手段として、欧米では「サービスとイノベーション」が重要視されているのに対し、中国ではあくまで「資本力・元の強さ」に焦点が絞られている。

新しい息吹の成長が阻まれた場所では、やがて循環サイクルによどみが生じ、退廃を余儀なくされる。「中国のeコマース企業は資本時代の怪物のようなもので、いずれは没落するだろう」--。Jキャピタル・リサーチはこうも指摘している。(ZUU online 編集部)

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