今月の探訪先 地盤ネットホールディングス
まいど、「相場の福の神」こと藤本です。今回から、藤本が成長企業の社長にインタビューし、その会社の成長の秘密と今後の成長戦略を聞き出す連載を開始します。まず、第1回は、地盤ネットホールディングス <6072> の山本強社長です。同社は東京都中央区日本橋に本社があり、地盤調査の大手企業です。2008年に創業し、2012年に東証マザーズに上場しています。
地盤会社の不透明さが起業のきっかけ
◆2008年の御社設立のきっかけはなんですか?
大学を卒業後、証券会社に就職し、個人向けの営業をしていました。様々な銘柄をお客様に奨めるために研究しているうちに、株式公開から間もない低価格住宅メーカー、アイフルホームテクノロジー(現、LIXIL子会社)に注目し、転職しました。
その後、地盤調査会社のアメリカンホームシールドジャパン(現ジャパンホームシールド)に出向したことが地盤に関わるきっかけでした。
地盤会社は、地盤調査部門と地盤改良工事部門の2つがあります。調査結果を基に、地盤改良の必要がある場合に改良工事も請け負っていたのです。だから、地盤改良工事の収益に依存しているため、調査結果が「要工事判定」につながりがちになってしまうのです。
これではいけない。公平な第三者が調査結果をチェックする仕組みをつくり、過剰な工事を生む構造を変革できないかと考え、地盤ネットを創業したのです。地盤ネットは、地盤改良工事を受注しない地盤解析専門の会社です。
無料のサービスから有料のサービスに
◆御社の特徴、強みは何ですか?
起業の経緯から判るように、地盤改良工事部門を持たないことです。これによって、第3者としての、適正な地盤調査が可能になります。創業時の主力ビジネスは、地盤セカンドオピニオンRです。これは、他の地盤会社が調査結果を第三者の目で再検証して、顧客の立場で最善のアドバイスを行うサービスです。
実は、地盤セカンドオピニオンRによる解析の結果、改良工事判定物件の62%が改良工事『不要』と判定されているのです。しかも、無料なのです。
『地盤解析報告書の発行』は有料で、地盤解析報告書の発行を受けた物件に万が一不同沈下が発生した場合、お引渡し日より20年間・5000万円、建物の損害等を賠償いたします。まずは、無料のサービスから始め、有料の地盤調査や、保証などに誘導するのです。また、FC展開で全国展開しているのです。
◆最近、話題になった横浜マンションの杭打ち不正事件の影響はどうですか?
当社の地盤調査は、3階建てまでの建物の地盤調査なので、オフィスビルやマンションなどの地盤調査は行っていません。だから、直接的な影響はないのですが、住宅や土地を買う消費者が地盤に注目するようになったことが、好影響でしょうね。
東日本大震災の時に、湾岸地域の液状化が問題となり、地盤調査に大きな追い風となりましたが、今回もプラスに働きそうです。
◆今後の戦略を教えてください。
『地盤カルテ』に注力しています。これは、住所を入力すると、その地盤を100点満点で評価してくれるサービスです。70点以上であれば問題なしです。ネットで無料調査出来るので、既に10万件以上の調査依頼がありました。70点以下の場合は、実地の地盤調査を有償で頼むこともできます。
また、無料で提供するのはピンポイントの情報ですが、その地域の点数を地図(マップ)でiPadにより確認できる『地盤安心マップR PRO』を1台月額5000円の有料で提供しています。住宅会社や不動産会社の営業マンに使っていただくことが目的です。既に200件以上の注文がありました。
住宅や土地を買う場合には、地盤ネットの地盤調査結果を購入者が気になるようになれば、当社の地盤調査がデファクト・スタンダードになりますね。世の中でなくてはならないサービスにすることです。
福の神 ココがポイント!
東日本大震災、横浜マンションなどで地盤に関する注目が高まっていることが追い風です。藤本も山本社長のお話を聞いて、すぐに『地盤カルテ』で自宅のマンションの住所を入力してチェックしてみました。85点だったので一安心でした。
株価をチェックすると、横浜マンション問題で、投機的な買いで急騰しましたが反落しています。『地盤カルテ』など、ビジネスモデルを変えるような画期的な新サービスもあるので、今後の高成長に期待して、中・長期投資がオススメの銘柄です。
藤本誠行
【プロフィール】
「相場の福の神」とも呼ばれている証券アナリスト。Yahoo!ファイナンス株価予想2012年勝率1位、伝説の39連勝男。現SBI証券投資調査部シニアマーケットアナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジスト、オールアバウト株式ガイド(記事提供:
株主手帳
)
【関連記事】
・「信用経済」という新たな尺度 あなたの信用力はどれくらい?(PR)
・資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
・会社で「食事」を手間なく、おいしく出す方法(PR)
・年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
・元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)