企業活動や資金調達のグローバル化が進み、企業の公表する決算書も国際的な投資家の目にさらされることになる昨今、企業情報開示のグローバル化が必要となっています。今回は、企業の国際的な会計基準として注目されるIFRSについて取り上げていきます。
企業評価の指標の一つがIRなどで公表される財務情報である。その財務情報の基本となる会計基準の国際化が世界的に重要なテーマになっている。それが、IFRSである。IFRSとは、International Financial Reporting Standards の頭文字を取った略称である。国際財務報告基準と訳すことができるが、日本でも一般的に「IFRS」と呼ばれる。
EUでは2005年から企業に対して強制適用を開始し、フランス、イギリス、ドイツなどをはじめとする各国がIFRSを適用、さらに2009年にはEU圏にある外国企業に対しても強制適用が求められた。韓国、インドは2011年にすでに適用を開始し、アメリカは2014年には適用予定である。このように、世界的に会計基準はIFRSに統一されていくことが大きな流れとなっている。
ただ、各国において、自国企業が採用する会計基準の設計に自国の裁量を維持したいなどの政治的な思惑もあり、必ずしも世界の足並みは揃っていないのが現状でもある。
日本では2007年に、企業会計基準委員はIASB(国際会計基準審議会)と2011年6月までに日本の会計基準と世界の会計基準の違いを解消することに関して合意があり、2009年には金融庁は一部の企業がIFRSの適用を容認し、2012年までに強制適用するか決定する考えを示していた。ところが、2012年夏にはIFRSの強制適用がされるか否かの判断が2013年に持ち越されるとの報道があった。