◆商業施設・ホテル・物流施設
商業動態統計によると、2015年10-12月の小売販売額(既存店、前年同期比)は、百貨店が+0.5%、スーパーが+0.3%、コンビニエンスストアが+1.6%となった(図表-13)。
2015年全体(既存店)でも消費増税に伴う落ち込みの反動が消えたことなどから、百貨店が+0.5%、スーパーが+0.3%、コンビニエンスストアが+0.9%となり、いずれの業態も底堅く推移している。
全国61都市のホテル客室稼働率(2015年12月)は前年同月比0.9%上昇の76.8%となり、年間を通じて過去最高水準で推移した(図表-14)。
2015年の訪日外国人客数は前年比47%増の約1,973万人となり3年連続で過去最高を更新した。円安やビザの発給要件緩和、免税制度の拡充などを背景に、政府目標の「2020年2,000万人」にほぼ到達した。
国・エリア別にみると、中国が前年比107%増加し499万人となった。続いて韓国、台湾の順に多く、3つのエリアで全体の64%を占める(図表-15、16)。また、2015年の訪日外国人の旅行消費額は前年比71%増加の約3.4兆円となり(*4)、そのうち約4割が中国である。
シービーアールイー(CBRE)によると、首都圏の大型マルチテナント型物流施設の2015年第4四半期空室率は前期比3.4%上昇の6.9%、近畿圏は前期比▲1.0%低下の3.5%となった(図表-17)。
首都圏では第4四半期に過去最大規模となる約50万㎡の新規供給があり全体の空室率を押し上げた。もっとも、電子商取引の拡大などを背景に大型物流施設の需要は強く、既存物件(竣工1年以上)の空室率は1.2%と過去最低水準に低下した。2016年の首都圏の新規供給は前年比20%増加の約120万㎡が予定されており、競合の多いエリアでは需給が緩和するとみられる。
一五不動産情報サービスによると、2015年10月の東京圏の募集賃料は前期比0.3%下落の3,990円/坪となり、概ね横ばいで推移している(*5)。