フィードバック,説教,指導
(写真=PIXTA)

部下を持つ人なら、部下の発言や行動に対して、指導やフィードバックをするはずだ。しかしあなたのフィードバックは期待する成果を出せているだろうか。持論がある人もいるだろうが、「単に言いたいことを言っているだけ」では変化は起きないし、部下は成長しない。ありがちな「不適切なフィードバック」を4つ挙げてみよう。

部下が目的を理解できないフィードバック

部下のミスを叱るだけ、提案に真っ向から反対するだけ。それでは部下の中には気が滅入るだけ。反抗心すら感じるし、部下自身もそのことは誰よりも分かっている場合が多い。
フィードバックとは本来、主に3つの目的で行うものである。「業務貢献への感謝や認識を示す」(奨励)、「スキル上達のためのコーチング・進捗評価」(フォロー)、そして「チーム内メンバーとの比較や査定」(評価)だ。

部下がフィードバックを受けた時、上司の意図がただの指摘や注意ではなく、その内容から「自分(部下)のため」「上司自身や部署全体のため」と理解できれば、行動の変化、改善につながる。

具体的でなく行動に移しにくいフィードバック

「分かりやすい報告をして」といった指示をしていないだろうか? それでは漠然としていて、言われた部下は、本人なりに考え、あるものは長い文章で詳細に、あるものは短すぎる箇条書きのみ、様々なものが返ってくるだろう。

たとえば「いつも報告ありがとう。もう少し短くまとまっているとさらに分かりやすいと思う。そして次の対策があるといいね。来週からは、短くした概要と、次の対策を冒頭に入れてくれるかな」と具体的に指示すれば、変化が期待できるかもしれない。

時間管理を上達させたい部下に対しては、時系列での報告を依頼し、予定変更やキャンセルなどへの対応を振り返らせる機会を与えるのも効果的だ。

部下一人ひとりに合っていないフィードバック

すべての部下に対して、同じやり方、一辺倒のフィードバックを与えていないだろうか。ある部下は改善が見られ、ある部下は一向に変わらない。同じことを伝えているのに違いがでると、変わらない部下が部署の中で足を引っ張る存在のようにすら思えてくる。実際は、部下の業務能力の違いが原因とは限らない。

筋道を与えることで成長する部下もいれば、自由を与えることでモチベーションを維持する部下もいるだろう。一人ひとりがベストな能力を発揮するためのキーを把握する必要がある。

自分のことを無視したフィードバック

そしてすべてを台無しにしかねない点は、「そういう自分はできているのか」ということだ。部下に指示、指摘したことをあなた自身ができていなければ、部下に説得力をもって伝わるはずがない。

例えばメールや文書の書き方を改善させたければ、あなたが部下に送るメールや文書を提示も、指示に沿ったものでなくてはならない。「自分は別」ではダメだ。

そして最後にチェックしたいのは、「伝わっていないフィードバックを放置していないか」ということだ。フィードバックをして、しばらく観察した後、改善が見られない場合は、早いうちに再度部下に確認すべきだ。短い期間のうちに個別に話すことで、真意が伝わる確率は高まるだろう。

フィードバックは注意や指摘をするだけのものではない。部下の管理、指導に長けた賢い上司は、あらゆる手段をうまく使い分けている。面倒がらずに、決して感情的にならずに、部下に確実に伝え、そのフィードバックを改善や変化への有効なきっかけや原動力として与えている。それが部下のスキル向上につながり、業務はスムーズに、そして部署や企業の成長に資することになるのだ。(ZUU online 編集部)

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