投資信託
(写真=Thinkstock/Getty Images)

1月29日に日銀がマイナス金利政策の導入を発表した。その結果として日本国債の利回りは大きく低下し、ついに10年国債利回りも史上初の一時マイナスとなった。これにより、償還が10年未満の国債利回りはすべてマイナス利回りへ。ほぼ国債発行残高の7割近くがマイナス利回りとなった。現在でも10年国債利回りは0.002%レベル程度であり、ほぼゼロ利回り近辺で推移している。もしマイナス利回りで債券を買った場合、当然ながら投資価格は100を超えており、償還まで持ってもキャピタルゲインは必ずマイナスとなる。したがって、長期投資であったとしても債券投資はクーポン収入を除いては決して儲からない。このような状態が現在続いており、国債投資を行っている投資信託の運用は非常に難しくなっている。特にMMFなどの国債運用の投資信託は運用が不可能になってきているところも多く、繰り上げ償還で運用を打ち切る発表が相次いでいる。

現在運用されている6000本近い投資信託のうち、国内債中心で運用している投資信託は69本余りだ。これらの投資信託の運用が困難な状況となっていることから、これらの投資信託の運用資金の減少が多くなってきており、運用残高の減少はさらに進むと見られる。また投資信託の目論見書によれば、運用されている投資信託の口数が10億口を下回ってくれば繰り上げ償還となるケースが多い。毎月運用会社から送られてくる月次報告書を見て、運用残高が10億口近くまで減少しているような投資信託は要注意である。また現状としては、黒田日銀総裁はさらにマイナス金利を引き下げる可能性もあることを言及しており、償還期限が10年を超える国債利回りもマイナスとなる可能性がある。国内債運用の投資信託の今後の運用はさらに厳しさを増すだろう。

安定型の運用を目指す投資信託での運用を続けるためには、上述のような国内債中心の投資信託は今後避けることが肝要である。ではこれ以外にどのような投資信託での運用することが安定的な収益を確保するうえで必要なのであろうか。

債券型投信、この状況下で注目すべきは…

①外貨建ての海外債券投資信託
現在外国債で運用している投資信託(北米の債券で運用・為替ヘッジなし)の運用利回りは平均2.45%程度で国内債型の1.57%に比べて高い。また北米以外の新興国国債などで運用しているような投資信託であれば、さらに運用利回りは高くなると思われる。ただしリスクも高い。今後円高、海外通貨安になれば、為替差損が発生し運用利回りは低下する。

また、国内債に投資する場合と比較すると、管理手数料など海外債券投資型の投資信託のほうが平均的な運用コストは高くなることから、運用益もその分減少する可能性が高いだろう。さらに海外の社債(投資適格債)やリスクのやや高いハイ・イールド債などへの投資をおこなっている海外債券型投資信託などは、平均して現在3.47%程度の運用利回りとなっているようだが、こちらは上述のようなリスクも高くなることから、投資している社債などの格付けの変動などには注意する必要がある。これらも月次報告書を見れば詳細は記されているので、購入した後でも丹念に目を通す必要がある。

②債券と株式のバランス型投資信託
この投資信託は、債券以外に株式もある程度運用している投資信託であり、債券だけで運用している投資信託よりも運用利回りは高くなるが、いっぽうで株式にもある程度の運用資金を入れており、当該株式が下落した場合はもちろん運用成績は悪化してくる。このように現状では外債などの国内債よりも利回りの高いところに投資している債券型の投資信託が今後投資残高を増やしていくと思われる。

今後の投資信託は「ニューソブリン」がキーワード

上述のように、これまで安定型投資信託と言えば債券運用を中心としたものだったが、それでも世界的な金利低下の影響を受けてきており、今後さらに運用成績を伸ばすことが難しくなることと予想される。また外債であれば為替差損を被るリスクも考慮する必要があるだろう。そうなれば、次は債券投資を中心とした安定型よりはリスク度合いが高いが、高配当の電力や医薬品などのデフェンシブな銘柄を中心とした株式投資信託などが新たに設定される可能性があるだろう。また現在市場で言われているいわゆる「ニューソブリン銘柄」と言われる、大型株で格付けが高く、かつ、高配当銘柄に集中して投資する投資信託が現れる可能性が高くなりそうだ。(ファンドアナリスト)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)