中国が武器輸出量を過去5年間に9割拡大させると同時に、国内の武器製造を着実に強化していることが、2月22日に公開されたスイスのストックホルム・インターナショナル・ピース・リサーチ(SIPRI)のレポートから判明した。

SIPRIは2011年から15年にかけての中国の武器輸出量が、06年から10年と比較すると88%も増しているのに対し、輸入量が徐々に減少傾向にある点を指摘している。

中国の主要取引国はパキスタンなどのアジア諸国

国際統計機関グローバルノートによると、中国の2014年の武器総輸出額は世界7位の10億8300万ドル(約1214億2596万円)に達している一方で、輸入額はインド、サウジアラビア、トルコに次いで世界4位となっている。

しかし昨年は高出力コンデンサー搭載の戦車「電磁装甲」や対ドローンのレーザー兵器を開発するなど、国内における軍需産業が勢いを増してきていることから、SIPRIは「今後は特定の軍事品を除いて、自国生産量を増加させる気配がうかがわれる」とレポートで分析している。

中国の主要武器輸出先はミャンマー、パキスタン、バングラデシュなど、世界最大の「武器輸入大国」である隣国インドとの摩擦から、軍事力強化の継続が予測されているアジア諸国だ。

IHS傘下にある英防衛産業リサーチ会社は、アジア地域での軍事的圧力が高まっている近年、「インドネシア、フィリピン、日本、ベトナムなどでも、中国に続けと軍事力を強化している」とし、これらの国で2010年には国家予算の5分の1だった防衛費が、2020年までには3分の1を占めるようになると見込んでいる。

中国の武器開発が活発化していることは以前からメディアに報じられていたが、ジュネーブ協定で禁じられている「盲目化レーザー」を中国軍が使用していることなどに対し、米国務省は大きな懸念を示している。(ZUU online 編集部)

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