「致命傷になりかねない」といわれているビットコインの容量不足問題。早ければ今年4月には新たな解決策が投じられるようだが、ユーザー数が過去最大に膨れ上がった現在、オーバーロード(過剰取引)による手数料の値上がりと取引完了時間の減速に、ユーザーの不満が殺到しているという。

手数料5倍でも取引完了に最大24時間

ビットコインは取引の特質(一定額以下の取引など)によって手数料を徴収することで、マイニング(採掘)を循環させると同時にオーバーロードを防ぐ仕組みになっている。

ところが取引件数が過去1年間で5割も増したことで、ネットワークはオーバーロード状態。ビットコインの取引優先ルールには複雑な計算が用いられるが、基本的には手数料が高い取引から優先されるというシステムが裏目にでて、手数料が急速に値上がりしている。
データ21.Comの調べでは、現時点での標準的な手数料(1バイトにつき0.0000001BTC)による取引所有時間は最大13時間となっている。

取引時間を短縮化するために以前よりも多くの手数料を支払っているという南アフリカのビットコイン取引所、Bitexのマヌ・バルドーCMOは、「取引が特に混雑している日には通常の5倍の手数料を払っていても、完了するのに最大24時間を要する」と、不満をあらわにしている。

電子署名の保存法改善でブロックを拡大

こうした取引上の混雑は容量不足問題の氷山の一角と見なされており、早急な解決あるいは改善が求められている。

ビットコイン・ブロックの拡大については、上限を最大2MBまで増やせる「ビットコイン・クラッシック」や、ビットコインを最適化してブロックサイズ自体を縮小する「セグレゲーティッド・ウィットネス」といったソフトウェアがリリースされている。

しかし「クラッシック」には過去バージョンとの互換性がないという欠点があるなど、決定的な解決法としては認知されていない。

ビットコイン促進、保護に向けて活動している非営利団体、ビットコイン・コアは、「セグレゲーティッド」に採用されている一部の電子署名情報を分離させることで容量を増やすという発想の応用し、電子署名の保存法を改善することでブロックを増やす可能性を模索中だ。早ければ4月の採用を目指している。( FinTech online編集部

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