取材,広報
(写真=PIXTA)

ジャーナリストの藤代裕之氏がYahoo! JAPANに取材を申し込んだところ、嘘をつかれたと指摘するなど、メディアと企業の関係に一石を投じている。企業にとってメディアは、自社の商品やサービスを取り上げてくれるありがたい存在でもあるが、不祥事を起こした場合などには牙をむいた敵にもなりえる。企業の広報担当者のみならず、メディアとの付き合い方は心得ておくべきだろう。

大手マスコミが優先?

事の発端は、藤代氏がニュース全体の方針について、Yahoo! JAPANの宮坂学社長にインタビューを申し込んだところ、該当の案件については担当責任者から語らせたいとして取材を断られたことに始まる。しかし後日、朝日新聞の紙面で、宮坂社長自らがインタビューに応じ、藤代氏が取材を断られた案件について語っていたのだ。藤原氏は、今回のYahoo! JAPANの対応について、取材に対してウソをつく組織で、同社がメディアステートメントで掲げた信頼と品質が担保できないと批判した。

企業としては、日々舞い込んでくるメディアからの取材依頼の中で、影響力の大きい大手新聞社やテレビ局の取材を優先させるのには一理ある。分刻みで業務を遂行する企業のトップのスケジュールに、すべての取材を組み込むことは現実的には不可能だ。仮に、記者が大手マスコミ所属でないとしても、長年の付き合いから取材に応じるというケースもある。

今回のYahoo!の対応では、ジャーナリストの藤代氏の取材申し込みに対しては、社長が対応する案件ではないと回答したにも関わらず、他のメディアでは手の平を返したことが問題となった。このケースの場合、企業としてどのように対応すべきだったのか。Yahoo! JAPANが藤代氏の取材を拒否した本当の理由は当事者のみ知るところだが、仮に大手メディアを優先させたということであれば、配慮に欠けた取材の断り方だったと言わざるを得ない。

本音と上手なウソの使い分け

企業として、本音の部分では大手マスコミを優先するというスタンスでも、取材を申し込んできた相手に対しては、断る際にも細心の注意を払いたいところだ。「この案件は社長が回答しない」としたにも関わらず、他の媒体で社長がインタビューに応じるのというウソは受け入れがたい。

しかし、同じウソでも「この案件については、できる限り取材を受けるようにしている。ただ、社長のスケジュールとの調整もあるため、すべての取材を受け入れることは確約できない」と上手に断る術を企業としては身に付けておきたいところだ。

一方で、うまく取材を断れたからと言ってすべてが一件落着というわけでもない。企業、特に広報担当者は、メディアとの信頼関係を築く観点から、取材を申し込んできたメディア関係者と接触することも今後の企業活動に役立てたいところだ。企業の宣伝として、メディアの影響力は魅力的。メディアに広告を出す際は、巨額の広告費がかかる一方、ニュースとして掲載される分には、コストがかからない。しかし、企業の思惑通りに、必ずしもメディアはネタを取り上げてくれるというわけではない。

例えば、うまくスケジュール調整をして、インタビューを希望する取材側の要望に的確に応えて恩を売ることも重要だ。後々、企業側でピックアップしてほしい情報が発生した際に、メディアに接触しやすくなり、媒体で取り上げてもらうことができれば、ウィンウィンの関係を築くことができる。

メディアとは信頼関係を構築すべし

取材を受ける企業としては、馴染みの記者以外は特に警戒心を抱くのは当然だろう。大手メディアといえど、担当者は数年で変わるため、その都度、取材記者との信頼関係の構築に努める必要がある。これは数値化できるコストではないが、日頃からコミュニケーションは欠かせない。

取材に際して、企業としてはどのようにメディアで取り上げられるのかが気になるところ。しかし、通常は取材後、事前に企業側が内容をチェックできることは稀で、報じられてはじめてその内容を知ることになる。企業としては、メディア側に取材の意図を確認し、正確に内容を判断した上で、取材を受けるかどうか適切に判断すべきだ。

時にメディアの持つ影響力は、一企業の経営を揺るがすほどのこともあるが、だからと言って接触を避けるのは賢明ではない。企業が取引先や顧客と良好な関係を築くためのノウハウを、メディアの取材対応にも活かせれば、スムーズに事を進めることができるだろう。(ZUU online 編集部)

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