この記事では、メガバンク等とネットバンクの金利の違いを紹介します。金利が適用される条件や振込手数料など、その他の条件についても詳しく解説するので、どのネットバンクで口座開設すべきか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。なお、ここでいうネットバンクは、インターネット専業銀行のことだけでなく、物理的な店舗を持つ銀行が運営しているインターネット上の支店も含みます。
銀行によっては定期預金のような高金利を提供する普通預金も登場しています。金利はもちろんのこと、使い勝手なども考慮し、自分に合ったネットバンクを見つけることが重要でしょう。
ネットバンクの金利はこんなに違う!
現在、メガバンク等の普通預金金利は、0.001%(税引前)が一般的です。長らくメガバンク等にお金を預けていた人の中には、「ネットバンクは金利が高いというけど、それほど変わらないのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、現在のネットバンクの普通預金金利は、0.001%(税引前)から0.2%(税引前)までと銀行によってかなり異なっています。金利でみるとイメージしにくいかもしれませんが、単純計算で、預け先を変えるだけで受け取れる利息が200倍になるということになります。
メガバンク等では、定期預金金利ですら、0.002%程度(税引前)となるケースが多くなっています。つまり、メガバンク等の定期預金にお金を預けるより、ネットバンクの普通預金にお金を預けたほうが、受け取れる利息が増えるという可能性もあるということです。
金利の高い銀行にお金を預けることは、貯蓄の効率を高めることは間違いないと言えるでしょう。
金利の違いでどのくらい影響があるのか?
金利の違いによってどのくらい貯蓄スピードに影響があるかを簡単にシミュレーションしてみました。
金利差による1年間の影響をシミュレーション
メガバンク等の普通預金・定期預金と、ネットバンクの普通預金にお金を預けた場合、どのくらいの利息が受け取れるかを比較しました。なお、メガバンク等の普通預金金利は0.001%(税引前)、定期預金金利は0.002%(税引前)、ネットバンクの普通預金金利は0.2%(税引前)と仮定しています。また、以下の表では税引前の1年間の利息を記載しています。
金利0.001%(税引前)のメガバンクでは1,000万円預けても1年で100円しか利息を受け取れないのに対し、金利0.2%(税引前)のネットバンクでは100万円預けても2,000円も受け取ることができます。ネットバンクに1,000万円預けたとしたら、1年で受け取れる利息は2万円になります。
ケタが2つ変わるだけで、これだけの効果があることがわかるでしょう。
ただし、普通預金は変動金利です。預入時に約束した金利が満期まで適用される定期預金とは異なり、金利が変更される可能性があるため注意して下さい。
ネットバンクの金利を比較!
続いては、ネットバンクの金利を比較します。なお、2020年10月現在の情報をもとに比較しました。
普通預金の金利
普通預金の金利は、最も高いネットバンク で0.2%(税引前)となっています。
また、金利0.1%(税引前)というネットバンクもいくつか存在しますが、ここで注意したいのが、0.1%(税引前)という金利は無条件で適用されるわけではないことです。
たとえば、証券口座と連動することによって金利が0.1%(税引前)になるというケースがあります。
他にも、給与振込口座に指定する、店舗で買い物をしてスコアを貯める、といった条件を満たさなければ、0.1%(税引前)という金利が適用されないネットバンクもあります。
金利が適用されるための期間や条件がなく、すべての人に0.2%(税引前)という高金利が適用されるネットバンクは限られていることに注意しましょう。
定期預金(1年)のネットバンクの金利
定期預金(1年)の金利は、最も高いネットバンク で0.25%(税引前)となっています。
定期預金金利1位のネットバンクでは、1年の定期預金金利0.25%(税引前)は、2020年12月30日までに新規口座開設した場合に適用されます。
お金を途中で引き出す可能性があるなら、使い勝手の良い普通預金を選び、引き出す予定がないなら高金利が確実に適用される定期預金を選ぶといった賢い使い方をするためには、お金の用途を考えておくことが大切になります。
資産形成を考えるなら?初心者が考えたい2ステップ
貯蓄は資産形成の第一歩ともいえます。そのため、こうしたネットバンクを資産形成に活用するための最初のステップを紹介します。
普通預金金利の高いネットバンクで口座開設する
まずは普通預金金利の高いネットバンクで口座開設することが重要になります。金利は、口座開設し、入金したその日から計算されます。つまり、口座開設のタイミングが遅くなるほど、高金利によるメリットを享受できる期間が少なくなるということです。
定期預金や投資信託で資産を増やす
使う予定のないまとまったお金がある場合や、給与から生活費を差し引いても余裕がある場合は、資産運用を検討するとよいでしょう。
絶対に元本割れが嫌だという人は、預金を選ぶことをおすすめします。一方で、「多少の元本割れリスクは許容できるので、リターンをより大きくしたい」という人は、投資信託など投資商品を購入すると良いでしょう。
投資というと、証券会社の口座を開設しなければならないというイメージがありますが、いまは、銀行でも投資商品を扱っています。投資信託は、運用をプロに任せられることから、初心者でも取組みやすい投資商品といえるでしょう。
ネットバンクのメリット・デメリット
続いては、ネットバンクのメリット・デメリットを簡単に解説します。次の章では、ネットバンクのリスク対策についても紹介するので、ネットバンクの利用を考えている人は参考にしてください。
メリット1.金利が高い傾向がある
ここまで見てきたように、ネットバンクはメガバンク等と比較して、金利が高い傾向にあることは、大きなメリットといえるでしょう。お金を預けるからには、受け取れる利息は多いに越したことはありません。
メリット2.自宅で手続きができる
ネットバンクなら、インターネットで明細の確認、振込、住所変更等の手続きが可能です。ATMや銀行の窓口に出向く時間を短縮できるのは、ネットバンクの大きなメリットでしょう。
メリット3.いつでも手続きの申し込みができる
ネットバンクでは、24時間いつでも手続きの申し込みができます。そのため、平日の昼間に働いている会社員や、勤務時間が不規則な人も、時間を気にする必要がありません。
デメリット1.通帳や実店舗がないネットバンクもある
ネットバンクの中には、通帳や実店舗が存在しない銀行もあります。そのため、通帳が発行される従来のやり方に慣れていると、最初は抵抗感を覚える場合もあるでしょう。
物理的に存在する実店舗で対面のやり取りをしないと不安だという場合、有人店舗と、インターネット上の支店のどちらもある銀行を選ぶと安心でしょう。
デメリット2.ネットに慣れていないと使いづらい
日頃からネットで手続きをすることが多いなら、ネットバンクは非常に便利な存在です。しかし、ネットに慣れていない人にとっては、ID・パスワードの管理や入力が負担になる可能性もあります。
ネットバンクは不安?補償とリスク対策
ネットバンク を利用する際の補償とリスク対策についても解説します。
過失がなければ不正出金による被害は補償される
全国銀行協会は、ネットバンクの不正な引出しについては、「銀行無過失の場合でもお客さまに過失がないときは『原則補償』」という方針を打ち出しています。そのため、「理由なくIDやパスワードを他人に教えた」「IDパスワードを書いた手帳が盗まれた」などの過失がある場合を除き、補償される可能性が高いと考えられます。
ネットバンクのリスク対策
ネットバンクを利用するならば、ID・パスワードはきちんと管理するようにするべきでしょう。また、パソコンにはウイルス対策ソフトをインストールしておくなど、通常のセキュリティ対策は講じておく必要があります。
高金利なネットバンクで賢く資産形成を
「利息なんて、たかが数十円」というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、高金利なネットバンクを利用すれば、預入金額次第で、数千円、数万円の利息を毎年受け取ることも可能になります。
高金利なネットバンクを利用すれば、資産形成のスピードは確実に加速するでしょう。機会損失を生まないよう、金利や条件をよく比較した上で、使い勝手の良いネットバンクで口座開設をするとよいでしょう。
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