具体的計算例

一例として、課税所得500万円、勤務先に独自の年金制度が無い (個人型確定拠出年金) 、掛け金が月額上限の2万3,000円という条件で、どれくらいの税効果があるのか前項で確認した3つのメリットに沿って見ていこう。

1年間の掛け金総額は、「2万3,000円 × 12か月 = 27万6,000円」となる。

まず、1. 掛け金が全額所得控除の対象となるメリットについて。

確定拠出年金では、支払った掛金の総額が所得控除の対象となり、掛け金に応じて所得税・住民税が軽減される。今回のケースでいえば、掛け金総額の「27万6,000円」が全額所得控除となる。そして、課税所得が500万円の場合、所得税は20% (※) 、住民税は一律10%となるため、税の軽減効果は下記のように計算して求めることができる。

所得税:掛け金27万6,000円 × 20% = 5万5,200円
住民税:掛け金27万6,000円 × 10% = 2万7,600円
合 計:8万2,800円

30年間掛けた場合、「8万2,800円 × 30年 = 248万4,000円」の税効果となる。
(※所得税率は課税所得に応じて変わるため、国税庁のHP等で調べていただきたい。国税庁: https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm )

次に、2. 運用益が非課税となるメリットについて。

積立総額は「2万3,000円 × 12か月 × 30年 = 828万円」となり、仮に年利3.0%の複利運用を想定した場合、利息込みで約1,340万円にもなる。差額「1,340万円 - 828万円 = 512万円」が非課税となる。いかに効率よくお金が貯められるかがわかるだろう。

最後に、3. 受け取り時点での税軽減メリットについて。

ここでは、一時金として受け取った場合について見ていこう。一時金として受け取る場合、退職所得控除の税制優遇を利用することができる。

退職所得控除額を求める計算式は以下のようになる。
勤続年数20年以下:40万円 × 勤続年数 (最低保証80万円あり)
勤続年数20年超 :800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年)

勤続年数が30年の場合、退職所得控除は「800万円 + 70万円 × (30年 - 20年) = 1,500万円」までは非課税になるので、前述の積立運用額 (1,340万円) の場合、受け取り時点でも非課税ということになる。

このように確定拠出年金は、自分で運用商品を選ぶため投資に慣れていない人からすると難しく感じるかもしれないが、税制メリットによる効果は大きい。2017年1月から対象になる公務員や主婦はもちろん、まだ始めていない方も、将来の老後資産に差がつく可能性があることを理解した上で資産形成・運用の選択肢に入れてみてはいかがだろうか。(提供: 大和ネクスト銀行

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