2020年で15年周年を迎えるYouTubeは、今やその存在を知らない人を見つけるのが難しいほど認知度の高い動画サービスとなっている。

日本国内では愛知県で開催の「愛・地球博」が話題を集めていた2005年、米国のカリフォルニアで、PayPalに勤めていたチャド・ハーレーとスティーブ・チェン、ジョード・カリムによって、後に世界を大きく変えるビジネスが生み出された。それが動画共有サービスのYouTubeだ。

最初に配信された動画のタイトルは「Me at the Zoo」で、創業者の1人であるチャド・ハーレーが動物園のゾウを背景にトークを行うという内容だった。言わば、彼が最初のYouTuberだったわけである。創業の翌年にはYouTubeの映像をホームページやブログなどに貼りつけられるようになったことから、ユーザーが一気に拡大。その将来を有望視したGoogleによって、同年10月に買収されることになる。

■国内のYouTube利用率はどのくらいなのか ?

YouTube誕生から15年 動画市場はどのように変化してきた ?
(画像=hobbit / Shutterstock.com)

YouTubeの公式発表によれば、グローバルには毎月 19 億人以上のユーザーが同サービスにログインして利用しており、1 日当たりの動画視聴時間は 10 億時間を超え、視聴回数は数10億回に達するという。

総務省が全国の13~69歳の男女を対象に実施した「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 (2019年9月発表) でも、全年代のFacebookの利用率が32.8%にとどまっているのに対し、YouTube等のオンデマンド型の動画共有サービスは71.8%に達している。総務省は継続的に同調査を実施しており、2013年におけるFacebookの利用率は16.6%、YouTube等のオンデマンド型の動画共有サービスは52.8%となっている。

ちなみに、同調査 (2018年版) では動画系メディアの平均利用時間も調査しており、平日は「テレビ系動画」が 175.7分 (前年175.9分) 、 「ネット系動画」が 24.6 分 (同 18.3 分) 、「DVD・BD・ビデオ系動画」が 1.8 分 (同 2.4 分) となっていた。依然としてテレビで動画を見る人が主流ではあるものの、その推移は横ばいで、ネット系動画が着実に増加していることがわかる。

■今後の動画市場規模はどう推移するのか ?

YouTubeがけん引する恰好で、動画市場自体はその間にどのような変貌を遂げていくのだろうか ? その行方に大きな影響を及ぼしうるのが動画広告を巡る動きで、注目度が極めて高いメディアだと判断するクライアントが増えれば、その市場もおのずと顕著に拡大していくはずだ。

インターネット広告で国内大手のサイバーエージェントが実施した動画広告市場調査によれば、大手クライアントを中心に自社製品・サービスのブランディングを目的にした動画広告の出稿が定着しており、その需要は引き続き増加する傾向がうかがえるという。また、動画広告配信における技術的な進化も、需要の拡大に大きく寄与しているそうだ。

こうした背景から、2019年の動画広告市場は前年比で141%増の2,592億円に達すると同社は予想している。特に伸びが期待できるのはスマートフォン動画広告で、その需要は前年比で147%増の成長を遂げ、動画広告市場全体の89%に達すると見込んでいる。

さらに同調査によれば、2020年には3,289億円、2023年には5,065億円といったように、動画広告市場は急ピッチで拡大を遂げると目されている。

■動画市場は5G導入でさらに飛躍を遂げる !

2020年から国内でも次世代通信規格の5Gのサービスがスタートするように、技術的なブレイクスルーの実現可能性が高まっている。

5Gは現行の4Gよりも通信速度が格段に速くなるので、高画質の動画を遅延などのストレスなく視聴できるようになる。そうすると4Kや8Kの画像をモバイルでも楽しめるし、AR / VRもさらなる普及を遂げる可能性が考えられる。そのうえ、5Gは4Gよりも多数の端末と同時接続できる。よりクオリティの高い動画コンテンツを誰もが気軽に楽しめる環境が整ってくるのだ。

コミュニケーション手段の主体がテキストから動画に取って代わる時代さえ訪れる可能性を秘めていそうだ。

(提供:大和ネクスト銀行


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