自分の将来について考えるのであれば、株式投資で「資産運用」を始めることを検討してみてはいかがでしょうか。しかし、初めて株式投資をする場合、大きな問題となるのが「どんな銘柄に投資すればよいか」です。本コラムは特に女性に向けて、女性目線を生かして有望な投資先を見つける方法を解説します。
「貯蓄から投資へ」の流れが加速、少額投資も可能に
投資の代表格といえば、やはり「株式投資」ではないでしょうか。株式投資には、債券や投資信託よりも大きなリターンを狙いやすい、銘柄によって株主優待を受けられるといった醍醐味があります。
しかし、日本証券業協会の調査によると、男性に比べ、女性は株式を保有している割合が低いことが明らかになっており、「株式投資はハードルが高い」と感じている女性は少なくないようです。「投資に興味があるけど、まとまったお金がない……」と考えている方もいるかもしれません。
参考:日本証券業協会「2021年度 証券投資に関する全国調査」
ですが、近年では少額から株式投資できる環境が整いつつあり、誰でもチャレンジしやすくなっています。「貯蓄から投資へ」という標語のもとNISA(少額投資非課税制度)が誕生したほか、金融機関によって「ミニ株」(単元未満株)を購入できるようになったためです。
ただし、株式投資にチャレンジしやすくなったとはいえ、「どんな銘柄に投資するか」が肝心なのは変わりません。では、女性目線を生かして有望銘柄を選ぶにはどうすればよいのでしょうか。
「ミニ株」とは?
株式は通常、100株単位で売買されます。この取引の最小単位を「単元」と言います。単元に縛られず1株単位で投資することが可能なのが「ミニ株」の仕組みです。男性女性に限らず、まとまった金額が用意できなくても、気軽に株式投資にトライできます。
例えば、1株1万円の銘柄を考えてみるとわかりやすいでしょう。100株単位(単元)でしか購入できない場合、最低投資額は100万円(100株の価格)となります。一方、ミニ株に対応していて1株単位で購入できる場合、最低投資額は1万円(1株の価格)となるわけです。
女性としてのユーザー体験や目線を銘柄選択で生かす
株式投資では、自分に身近な製品・サービスを展開している企業の中から、今後業績が伸びそうな銘柄を探すのがセオリーのひとつです。この銘柄選択で女性目線を生かせば、男性では見つけにくい有望企業を見つけることができます。
例えば、化粧品メーカーやお気に入りの女性向けアパレルブランドの中から、今後、より女性ユーザーから支持されそうな企業を女性ユーザー目線で探すという方法が考えられます。
化粧品メーカーや女性向けアパレルブランドの良し悪しは、化粧品を使わない男性には分かりにくいものです。実際に使ってみなければ、ユーザーがどのような感想を持つか、肌感覚で分からないからです。
化粧品メーカーや女性向けアパレルブランドだけではなく、女性向け商品をメインに扱っている企業であれば、女性目線をうまく生かすことができます。
投資先の候補を挙げたら、次は「企業分析」「銘柄分析」をしよう
このようにして投資先の候補を挙げたら、より投資の成功確率を上げるために、自分なりに企業分析・銘柄分析をしてみましょう。ポイントは「業績」「事業戦略」「出来高」の3つです。
●POINT 1 「業績」を確認する
上場企業は四半期(3ヶ月)ごとの決算発表で、業績や今後の見通しなどを明らかにしています。決算発表の内容は「決算短信」という資料にまとめられており、各社のWebサイトや電子開示システム「EDINET」などで確認できます。
決算短信で着目すべきは、売上高、営業利益(営業損失)、経常利益(経常損失)、純利益(純損失)などの業績のほか、それらの前年同期比の増減、業績見通しなどです。
ただし、業績見通しについては四半期ごとに上方修正や下方修正が入ることもあります。魅力的な業績見通しを打ち出していても、企業の見通しが甘く下方修正が続くこともあり得るため、投資先として検討する際には過去の決算発表にも目を通した上で総合的に判断することが理想です。
決算短信には業績や業績見通しの背景、リスク要因なども説明されていますが、「決算説明資料」という資料でよりわかりやすく説明している場合もあります。併せてチェックするとよいでしょう。
●POINT 2 「事業戦略」を確認する
続いて、その企業の事業戦略をチェックしましょう。事業戦略は、決算発表時に発表されたり、IRページで「中期経営計画」などという名称で公開されたりしています。
その企業が女性向けの商品を展開している場合は、今後力を入れていこうとしていることが世の中の女性の考え方にマッチしているかなども確認するようにしましょう。
●POINT 3 「出来高」が増えているか確認する
「出来高」が増えているかどうかも確認しましょう。出来高とは、一定期間内に売買された株式の数量のことで、無料で株価チャートが見られるサイトやアプリでも簡単に確認できます。
株価の上昇を伴いながら出来高が増えている銘柄に関しては、今後の業績などに注目して株式を保有しようとしている人が増えている可能性が高いと言え、その後も株価の上昇が続くことが期待できます。
株式で大きな失敗をしないために
このような企業分析を経て投資する銘柄を決めたら、購入するステップに入ります。
初心者が投資で大きな失敗をしないためには、まずは余剰資金で少額の投資をしてみるのが賢明です。株式投資は銘柄を保有することがゴールではありません。銘柄の保有はあくまでスタートで、そこからさまざまなことを学んでいきます。
買った銘柄が値下がりすることも当然あります。そのとき、なぜ値下がりしたのか、なぜ銘柄選びに失敗したのかを考えることで、投資家としての思考力が養われます。ある程度まとまった額を投資するのは、学んでからでも決して遅くありません。
そして「分散投資」という視点も持ちましょう。投資銘柄の分散、投資タイミングの分散などをすると、投資におけるリスクを軽減しやすいからです。日本株だけではなく米国株に目を向けてみたり、積み立て投資をしたり、といった具合です。
手堅い成果を挙げられるよう工夫を
将来のために株式投資を始める際は、女性目線を生かしつつ、企業分析や銘柄分析をしっかりすることも大切です。そして分散投資でリスクにも配慮し、手堅い成果を挙げられるように工夫しましょう。
執筆者:株式会社ZUU
(提供=auじぶん銀行)
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