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(写真=PIXTA)

日本を代表する証券取引所である東京証券取引所。日々のニュースでその外観や中の様子を見ることもあるでしょう。しかし、実際に東京証券取引所ではどんなことが行われているか知っていますか。

東京証券取引所の歴史

東京証券取引所の前身である東京株式取引所が日本橋の兜町で誕生したのは、1878(明治11)年5月です。渋沢栄一、三井養之助両氏らが取引所の設立を出願し、1878年5月に株式会社組織の東京株式取引所が誕生、営業は同年6月から開始されました。

明治時代は日清・日露戦争の影響により株価は暴落したり急騰したりしていました。1893年末の全国の取引所数は40ヵ所でしたが、1897年には137ヵ所に急増しました。しかし、投機的取引が横行したことから、取引所の健全化のため整理が行われ、1903年には59ヵ所まで減っています。

1923(大正12)年には、9月1日の関東大震災で東京株式取引所の建物も全焼。兜町一体が焼け野原になったものの、10月27日にはその焼け跡に天幕を張って株式の現物取引を開始したそうです。

1929年10月にニューヨーク株式市場の株価大暴落にはじまる世界大恐慌の影響で、日本経済も不況に陥り、株価も暴落しました。その後、1930年代に財閥が株式を公開すると投資家の人気を集めました。

1943(昭和18)年には全国11の株式取引所を統合し、日本証券取引所が設立されました。第二次世界大戦の影響で市場も徐々に活気を失っていき、終戦の1945年には取引所は売買停止に追い込まれます。ですが、空白の数年間を経て、1949年には東京証券取引所として新たに営業を再開しました。

その後東京証券取引所は、高度経済成長の時期を迎え株価も上昇の一途をたどりました。当然株の売買も活発であった東京証券取引所ですが、当時の売買方法はコンピューターではなく、すべて人の手で株式売買を行っていました。そのため、当時の東京証券取引所は注文を発注する証券業者であふれかえっていました。

東京証券取引所は世界の金融市場へとさらなる発展を遂げるために、2013年に大阪証券取引所と経営統合し、日本取引所グループを発足させました。現在、東京証券取引所は日本取引所グループの子会社という位置づけとなっています。