コロナ禍の影響で2020年の世界の経済成長率は-3.3%のマイナス成長だった。ただ中国経済は、いち早くコロナを封じ込めたことで他の地域に先駆けて回復。2020年における中国の経済成長率は、+2.3%と2019年の+6.1%からは減速したものの主要地域・主要国では唯一のプラス成長だった。なおIMFの世界経済見通しによると2021年は、世界経済が+6.0%とコロナ禍からの急回復を見込んでいる。

その中で中国の成長率予想は、+8.4%だ。2022年は「世界+4.4%」「中国+5.6%」で中国は世界の回復を上回る成長が見込まれている。経済成長のあるところに成長企業があり成長企業があるところにはテンバガー銘柄が多くでてくるはずだ。今回は、中国株のテンバガー候補やおすすめ株を選ぶポイントを解説したい。

目次

  1. テンバガーを狙うなら高成長が期待できる中国株
    1. テンバガーとは?
    2. 高成長企業にテンバガー候補あり
  2. 過去の中国テンバガー株10社
    1. BATを代表とする世界を追撃するIT系企業
    2. EV、AI、バイオ系など成長分野を有する企業 
    3. 半導体などハイテク分野でも世界を追撃
    4. 世界最大の市場を抱える小売、消費、不動産関連
  3. テンバガー候補株の見極めポイント
    1. 意外と多い小売りのテンバガー、中国が有利な理由
    2. リスクも忘れずに
  4. 2021年の中国株は期待大!

テンバガーを狙うなら高成長が期待できる中国株

経済成長率の上昇が見込まれているということは、株価上昇の期待値も高い。もしテンバガーを狙いたいのであれば2021年、2022年予測で経済成長率が高い中国株を選定することも方法の一つだ。ここでは、テンバガーの概要や世界の経済成長率の予測について解説していく。

テンバガーとは?

テンバガーとは、株式市場で株価が10倍になった銘柄のことを指す。例えば株価が500円だった銘柄が5,000円以上になることである。野球のスラング用語でバガーの意味は「塁打」。米国のウォール街において使われ始めたといわれている。1試合で10塁打を達成する勢いと株価が急騰するイメージを重ねて株価が10倍になることをテンバガーと称したことが由来だ。

テンバガーと巡り会うことは、投資家の憧れでもある。

高成長企業にテンバガー候補あり

株価が10倍になるには、さまざまな条件がある。基本的には、株価と業績は連動する傾向のため「業績が急拡大している」「急拡大が見込める」といった材料やテーマ性をもった銘柄にテンバガーが多い。「国の企業業績の合計=国の経済」とするなら経済成長率が高い国の企業業績は相対的に高くなるだろう。

また企業業績がいい国の株式市場のほうがテンバガー銘柄を発掘する可能性が高いことになる。日本のように経済が成熟し潜在成長率が1%に満たない国よりも、人口も多く成長が続いており潜在成長率が6.5%の中国の企業のほうが期待できるわけだ。冒頭で記載したIMFの世界経済見通しによると2021年と2022年の経済成長率は、以下のようになっている。

地域 2020年 2021年(予測) 2022年(予測)
世界 -3.3% +6.0% +4.4%
米国 -3.5% +6.4% +3.5%
ユーロ圏 -6.6% +4.4% +3.8%
日本 -4.8% +3.3% +2.5%
中国 +2.3% +8.4% +5.6%

先進国と中国の経済成長率を比較してみると中国が一歩抜きんでていることが分かるだろう。経済成長率が高い中国でテンバガー候補銘柄を探すほうが成長力の低い日本より探しやすいはずだ。

中国株
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過去の中国テンバガー株10社

中国株でテンバガーを達成した企業には、どのような特徴があるのだろうか。ここでは、以下の10社について取り上げジャンルごと4つに分けて解説していく。

・バイドゥ(百度)
・テンセント(腾讯)
・ニーオ(上海蔚来汽車)
・アイフライテック(科大訊飛)
・シャンスー・ハンルイ・メディシン(江蘇恒瑞医薬)
・ジーリー・オートモービル(吉利汽車)
・SMIC(中芯国際集成電路製造)
・ユニスプレンダー(紫光)
・チンタオビール(青島啤酒)
・サ・サ・インターナショナル(莎莎国際控股)

BATを代表とする世界を追撃するIT系企業

米国でIT系企業大手のGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)は生活上で不可欠なプラットフォーマーとして株価が大きく上昇した。一方で高い成長力と約14億人(2021年3月末時点)の人口を背景に次世代のプラットフォーマーとして期待されている中国発の大企業がBATだ。BATとは、バイドゥ、アリババ 、テンセントの3社である。

検索最大手のバイドゥ(百度)、Eコマース最大手のアリババ(阿里巴巴)、SNSやゲーム最大手のテンセント(腾讯)は、すでに中国国民の生活に欠かせないプラットフォーマーとしての立場を確立。アリババこそテンバガーを達成していないがバイドゥ、テンセントはテンバガーを達成済み。(2021年6月時点)

上述したように2030年には、中国がGDPでトップになる可能性も示唆されているため米GAFAMを追随する存在と目されている。BATを追いかける次世代の中国発のIT系企業も次々誕生しており中国株の注目度は高いといえる。

EV、AI、バイオ系など成長分野を有する企業 

将来性の高い特定の分野で強みをもつ企業でも以下のように多くのテンバガー企業が生まれている。

・中国版のテスラといわれるニーオ(上海蔚来汽車) ・AI・音声認識のアイフライテック(科大訊飛) ・抗がん剤の最大手シャンスー・ハンルイ・メディシン(江蘇恒瑞医薬) ・自動車メーカーのジーリー・オートモービル(吉利汽車)

EVや次世代AI自動車、バイオ系などの企業は、今後の成長も十分に期待できるだろう。

半導体などハイテク分野でも世界を追撃

中国最大の半導体受託生産企業(ファウンドリー)のSMIC(中芯国際集成電路製造)もテンバガーを達成している。米中貿易摩擦に伴い半導体を巡る米中対立が激化している中、中国は半導体の国産化をすすめているので注目度が高い。ユニスプレンダー(紫光)も政府系の紫光集団に属しIT機器、半導体などの内製化をすすめているテンバガーだ。

米中ハイテク摩擦に伴うリスクはあるが中国発のテクノロジー企業からも目が離せない。

世界最大の市場を抱える小売、消費、不動産関連

中国は、大きな国土と約14億人の人口を抱えている。そのため小売りや消費関連でも成長企業が多い。中国最古のビールメーカーのチンタオビール(青島啤酒)は、ハイテク企業ではないがテンバガーを達成している。アジアで美容製品、化粧品などを手がけるサ・サ・インターナショナル(莎莎国際控股)も2021年6月の株価はコロナ後で低迷しているが2013~2014年時点でテンバガーを達成した。

テンバガー候補株の見極めポイント

テンバガーを達成している銘柄を分析して分かる最も大切なポイントは「業績が拡大すること」である。いわゆる「成長株」が条件となっているのだ。例えば特定の分野やニッチな分野で強みをもちその業界の構造を変えたような企業である。インターネットやIT系の会社のように時代の変化に伴いプラットフォーマーになりうる企業。将来性の高い分野や技術などのテーマに乗る企業だ。

米国ではApple、Microsoft、AmazonなどのGAFAMが典型だった。身近な日本の例では、ソニーグループ<6758>、任天堂<7974>、ソフトバンクグループ<9984>などがあてはまる。

意外と多い小売りのテンバガー、中国が有利な理由

テンバガーには、小売業が意外と多いことも注目だ。例えば米国では、ウォルマートやコストコなどである。日本においては、ユニクロを経営するファーストリテイリング<9983>、業務スーパーの神戸物産<3038>やワークマン<7564>もそうだ。

小売りの場合は、新しいスタイルや画期的な商品で成功し、新規出店で店舗数を拡大して企業業績が大きく成長するチャンスがある。特に約14億人の人口を抱える中国の小売企業でテンバガー企業がたくさん出現したとしても全く驚きはないだろう。

リスクも忘れずに

テンバガー銘柄には、当然リスクもあることは押さえておきたい。長期で10倍になるのは、株価が安いときに買い長期保有していたケースが多いだろう。どんなに魅力的に見える企業でも株価がある程度上がっていればすでにその成長力が株価に織り込まれていることも少なくないため、その後下げに転じることもあり得る。

特に中国株は、リーマン・ショック後に急落を経験しており世界景気下落局面においては成長株でも下がるリスクを意識しておきたい。

2021年の中国株は期待大!

中国の2021年1~3月期のGDPは、+18.3%と新型コロナウイルスを抑制して過去最高だった。2021年1~3月期の上海、深センに上場する企業約4,200社(金融を除く)の純利益は、前年同期比で約2.7倍に急増。2019年1~3月期と比較しても3割増とすでにコロナ前の水準を大きく上回っている。中国には、高成長が期待できる割安株が眠っている可能性が高いだろう。

中国を代表する株価指数である上海総合指数は、リーマン・ショック前の世界景気拡大時の2007年10月16日に6,124.04元の過去最高値をつけた。しかしリーマン・ショックの影響で2008年10月28日には1,664.92元まで売られ約1年という短期間で4分の1近く下落したのだ。このことから中国株は、世界景気に敏感な動きをすることが分かるだろう。

コロナショック前の2020年1月14日には3,127.17元の高値をつけていたがコロナショックで同年3月19日には2,646.80元まで売られた。しかし中国がいち早くコロナを封じ込め自動車産業中心に景気を回復させたことで2021年2月には、3,731.69元の2015年8月以来となる直近の戻り高値をつけた。その後、ワクチン接種率の上昇とともに欧米主要国の株価も戻り始める。

世界主要市場の株価指数が過去最高値更新する中で先行した上海株は、2021年3~5月までボックス圏を続けていたが2021年5月以降は上昇している。世界景気がパンデミックからのリスタートでこのまま拡大する場合は、世界景気敏感で出遅れ感がでてきた中国株への期待は大きい。中国株投資で将来のテンバガー候補を探してみよう。

※本記事では、特定の銘柄を推奨しているわけではありません。中国株へ投資をする場合は、株価の変動リスクだけでなく為替リスクやカントリーリスクなどがあるため、複合的なリスクを理解し自己責任で資金の投下を検討してください。

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