リート,ヘルスケア
(写真=PIXTA)

医療・介護施設などへ投資するヘルスケアRIETの注目が高まっている。2013年12月に閣議決定された「好循環実現のための経済対策」の中でも「ヘルスケアリートの上場推進等を通じたヘルスケア施設向けの資金供給の推進」が掲げられる。

ヘルスケアREITとは 老人ホームやサ高住などの施設に投資

東証REIT市場には3本のヘルスケアREITが上場している。東証はヘルスケアREITを「主たる投資対象をヘルスケア施設とするリート」と定義している。具体的には総資産に占めるヘルスケア施設(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、病院など)の割合が50%超のREITを指す。

施設を保有するヘルスケアREITは当該施設の事業運営者(オペレーター)と賃貸借契約を結び、その事業運営者が入居者・利用者の募集・契約・料金徴収などを行う。
ヘルスケアREITは事業運営者から受け取る賃料を主な収益源としており、諸経費などを控除した後の利益を投資家へ分配することになる。

運営者・投資家・利用者それぞれのメリット

ヘルスケアREITは、事業運営者、投資家、入居者・利用者の3者へメリットをもたらすことが期待されている。

一般的に事業運営者は保有している施設をヘルスケアREITへ売却しリースバックを受けることになるため、施設を維持するための財務負担や管理義務から解放されるとともに、施設を売却して得た資金を運営事業の充実や新規事業に当てることもできる。
投資家にとっては、ヘルスケア施設の入居・利用率は景気変動の影響を受けにくいとみられ、オフィスや商業施設などに特化したREITと比べパフォーマンスの安定性が高いと想定される。長期的にヘルスケア施設の需要は増加すると考えられるので、安定性に加え成長性も期待できる資産への投資機会を得られることは大きな魅力だ。
入居者・利用者の立場からみると、管轄官庁等による監督や情報開示の強化により施設運営の透明性や一定のサービス水準が確保されることがメリット。ヘルスケアREITの資産は医療・介護施設として厚生労働省から監督されるだけでなく、上場金融商品として金融庁や東証の監督下にも置かれ幅広い情報開示も義務付けられる。またヘルスケアREITの運用会社が事業運営者のパフォーマンスを厳しく監視するため、入居者・利用者離れの原因となる質の低いサービスが長期間放置されるリスクも低くなる。

現在東証に上場されているヘルスケアREIT3銘柄を見ていこう

日本ヘルスケア投資法人 <3308> 2014年11月に上場したヘルスケアREIT第1号

大和証券グループ本社 <8601> の100%子会社の大和リアル・エステート・ アセット・マネジメントが運用する3本目のREIT。

2016年3月現在の取得資産は21物件、1860億円。ポートフォリオの50%以上を3大都市圏の物件で構成している。高齢者施設・住宅を60%以上組み入れることとしているが、現時点では有料老人ホームが95%以上を占めている。施設稼働率は上場時から100%を維持している。事業運営者は10社で、損保ジャパン日本興亜ホールディングス <8630>の100%子会社SOMPOケアネクスト(旧ワタミの介護)の運営施設が21.4%を占め最も高い比率だ。

ヘルスケア&メディカル投資法人 <3455> 8割以上の物件が都心および地方の中核都市に

2015年3月に上場。シップヘルスケアホールディングス<3360>、NEC<6701>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などを母体とするヘルスケアアセットマネジメントが運用する。

現在の取得資産は16物件、2368億円。ポートフォリオの80%以上を3大都市圏とそれに準ずる政令指定都市・県庁所在地等の中核都市の物件で構成する。高齢者向け施設・住宅と医療施設を80%以上組み入れることとしているが、現時点では100%高齢者向け施設・住宅となっている。施設稼働率は上場時から100%で変わらない。事業運営者は7社で、こちらもSOMPOケアネクストの運営施設の比率が最も高く28.0%を占める。

ジャパン・シニアリビング投資法人 <3460> シニアリビング施設100%

2015年7月に上場。ケネディクス<4321>が60%、長谷工コーポレーション<1808>が20%出資するジャパン・シニアリビング・パートナーズが運用する。両社を含む株主6社とスポンサー・サポート契約を締結している。

現在の取得資産は14物件、279億円。ポートフォリオの80%以上を3大都市圏とそれに準ずる中核都市の物件で構成する。シニアリビング施設(高齢者施設・住宅)を70%以上組み入れることとしているが、現時点では100%。施設稼働率は上場時から100%。事業運営者は8社で、子会社ユニマット・リタイアメント・コミュニティ<9707>の運営施設が24.8%を占め最も高い比率だ。

比較的新しいカテゴリーのREITだが、これからさらに高齢化が進めば需要も高まるはずだ。とはいえ介護士の不足などの課題もあるため全ての施設がうまくいくわけでは決してない。このあたりに注意しつつ、注目しておくといいのではないだろうか。(ZUU online 編集部)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)