(写真=Thinkstock/Getty Images)
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REITと聞いて思い浮かぶものはおそらく、住宅、ホテル、オフィスなどだろう。日本ではほとんどがこうした一般的な不動産、施設でオーソドックスなものばかりである。しかし、米国には多くの変わり種が存在するので、米国の変わったREITを紹介したい。

刑務所REIT  刑務所が部分的に民営化されたことがきっかけ

REIT大国である米国は変わり種も多いのだが、中でも有名なのが「刑務所REIT」である。1984年テネシー州が刑務所業務を部分的に民営化したことからスタートしたのだが、これは不動産投資信託が刑務所を所有して州などの自治体に賃貸するというものだ。
刑務所の賃貸借契約は期間が10年超で中途解約ができない上、管理費や修繕費も自治体負担というデメリットがあるのだが、一方で常に満員の物件のため、空室率が低いところが魅力の1つであることは皮肉なものだ。現在は2社上場しており、それぞれ約100カ所と約60カ所の刑務所を運営している。

日本に目を向けてみると、受刑者数が増えて刑務所の定員がオーバーしているところもあると同時に運営の一部民間委託が進んできていることを考えると、刑務所REITが誕生する日が来るかもしれない?

無線通信アンテナREIT 日本でも基地局のリースが検討中

無線通信アンテナ基地局の保有・賃貸に特化したREITで、インフラ領域に入る。大手投資会社だと約2万2000の無線アンテナ基地局を持っているといい、主な取引先は携帯電話会社だ。日本だと携帯電話会社がそれぞれ基地局を保有していることが多いものの、基地局のリース・シェアリングが2010年頃から検討されており、今後進むかもしれない。過去には米国で携帯電話会社が自社保有している無線塔を、無線インフラを手掛ける企業が買収したり、リース契約を結んだりした例もある。

屋外広告板REIT 日本にも野立て看板はあるが

屋外看板用の板と土地の賃貸に特化したもの。米国では広告看板を貼る板と、その板を建てる土地を貸し付けている会社があり、上場してREITとして成り立っている。

日本にも野立て看板と呼ばれるものがある。新幹線の中から見える風景の中に「727」の看板を見たこともあるのではないだろうか? 交通広告の一種として鉄道運営者が管理するものと、広告代理店が敷地を確保するものがある。ただ景観を損ねないための規制もあるため、日本でREIT化するのは難しいかもしれない。

森林REIT リスク分散の観点から機関投資家が注目

一般的に森林は植樹から管理、伐採まで数十年という長い歳月がかかるもの。REITにならないイメージもあるが、米国のある投資会社は、広大な森林を買収し続けている。森林は金融資産との関係が薄いため、株式相場が荒れた場合も、森林REITへの影響は少ないと考えられるのだ。リスク分散の視点から、欧米の機関投資家、中でも大学基金などのニーズに合致しているようだ。

米国で森林REITが可能な理由は、林業自体が大規模であることと作業の大部分が機械化され低コストで管理することができること。日本では主に手作業のため、コストがかかる。
日本は国土の67%が森林に覆われており、森林の持つ機能を貨幣換算すると年間約70兆円とも言われる。国内の荒廃している森林が活用される流れが生まれれば、日本にも森林REITが生まれるかもしれない。

進化系ならこれ 太陽光発電REIT

米国では自然エネルギーとタッグを組んだREITもある。進化形として「Power REIT」と呼ばれている。これは、購入した土地に自然エネルギーの発電施設などを導入することで、エネルギー発電の収入を見込んだ上で価値の底上げが行われた不動産に投資をする。

日本にも河川敷など大規模に太陽光発電設備を設置する業者もあり、平地が少ない日本ではあるが、可能性はゼロではないだろう。

米国でREITを組成する利点

米国では、投資家への分配に関して一定の要件を満たせば法人税の課税対象にならず二重課税を避けられる利点があるため、REIT組成に参入する企業が多いのかもしれない。

日本にもJ-REITにはペイ・スルー課税という、米国の制度に若干似た特別措置法が存在するが、REIT組成の手続きが複雑で、参入障壁が高い。果たして日本でも米国のような変わったREITと呼べるものが誕生するのだろうか?(ZUU online 編集部)

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