REIT,不動産
(写真=Thinkstock/Getty Images)

不動産投資と言えば土地や建物を購入し賃料収入を得たり値上がりによる売却益を期待したりする「現物投資」を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、不動産投資には「REIT」と呼ばれる方法もある。REITとは不動産投資信託(Real Estate Investment Trust)のことだ。現在東証に53銘柄が上場されており、取引時間中であれば株式と同様に随時売買できる。ここでは、現物投資にはないREITの魅力を整理する。

安定収益を確保できるのが大きな魅力

REITは不特定多数の投資家から多額の資金を集め不動産投資を行うファンドだ。東証上場第1号で最大の日本ビルファンド投資法人 <8951> の保有資産は1兆803億円、最小規模のジャパン・シニアリビング投資法人 <3460> でも279億円の資産を有している。このため多数の不動産に投資し分散効果を確保すると同時に1件数百億円の高額優良物件を保有することも可能だ。

オフィスビル、マンション、高齢者向け住宅、複合商業施設等であれば入居者数も多くなるため、さらに分散効果が働き収益の安定性が高まる。個人でマンションやアパートへ投資する場合は多くても300室(15室×アパート20棟)程度で限界に達するが、REITであれば合計1万室超の物件も無理なく保有できる。たとえば、住宅特化型REITで最大のアドバンス・レジデンス投資法人 <3269> は、4258億円の資産を有し2万231戸の賃貸に回す規模だ。

REITの場合、不動産の所有者は投資家ではなくファンドになる。このため、運用会社(AM)、管理会社(PM)、資産保管会社(信託銀行)等の専門業者が市場動向や物件情報の収集・分析、投資適否の判断、契約締結、資金調達、物件の引き渡し、登記申請、リーシング、施設管理、納税などを全て行う。投資家が物件管理に煩わされることが全くない点もメリットの1つだ。

REITは株式会社を模した投資専用機関の投資法人(ファンド)が不動産を保有し、その賃料収入等から費用を控除した利益を年2回の決算期に分配する仕組みになっている。

株式会社も中間決算と年度決算の際に配当を実施することになっているが、その内容は経営状況により大きく変動する。業績が悪く配当可能利益を確保できず無配になったり、将来のリスクや投資に備え配当を減らし内部留保に充てたりすることもある。それに対しREITは不動産賃料を分配金の原資とするため、毎期安定的に分配できる可能性が高い。3月18日時点の分配金利回りは最低2.39%、最高5.51%、平均3.30%だ。REIT市場の創設以来、全銘柄合計の予想分配金利回りが国債利回り(10年)を下回ったことは一度もなく、安定収益を確保できる商品と言えるだろう。

株式と同様に少額からの投資が可能

不動産投資を目的とするファンドには、匿名組合や特定目的会社などを活用し少数の投資家から資金を集め運用する私募ファンドもある。これらのメリットは短期間で組成可能なことと簡素に運営できることだ。

一方、REITは不特定多数の投資家から資金を集め運用することを前提としている。このため帳簿作成、権利保護、情報開示などに多くの手間を要する。しかしながら、通常REITは取引所に上場されるため、株式と同じように市場価格で自由に売買できるメリットがある。

不動産の現物取引を行う場合は、事前調査、契約条件の交渉・確認、引き渡しなどに相応の時間と手間を要するため、毎日のように売買することは不可能だ。また条件が合わず取引が成立しないことも多い。急に現金が必要になったときでもすぐに不動産を売却することは難しい。その場合でも不動産を担保に資金を借りられるが、概ね時価の70%程度の金額しか調達できない上に利息を負担しなければならない。

REITであればすぐに売却して資金化できるだけでなく取引所で値付けされた客観的かつ透明性の高い価格で匿名の取引を行うことが担保されるため、個別不動産の現物取引のように価格の妥当性や取引相手の適格性を調査する必要もない。

株式と同様に小額から投資できる点も魅力だ。REIT(投資法人が発行する投資証券)の売買単位は1口だ。 3月18日時点の投資証券の最高価格は星野リゾート・リート投資法人の131万7000円だが、10万円を下回る銘柄も6本あり小額からの投資も十分に可能だ。

不動産の現物を購入する場合は、相当安い中古マンションの1室でも数百万円を要するはずだ。それを考えればREITはかなり低価格と言えるだろう。

REITにより身近になった不動産投資

かつて不動産投資と言えば一部の限られた人の資産運用というイメージだったが、REITの登場により多くの人たちにとって身近なものとなった。

日銀がマイナス金利政策を導入し金融緩和を一段と強化する中で、世界的な株価低迷が続いている。実体経済も日本、米国、欧州の停滞が続き中国の減速傾向も鮮明化している。一方で2020年の東京オリンピックに向け関連施設の建設や訪日観光客の誘致強化とそれに伴う宿泊・観光施設の整備が着実に進められている。こうしたマクロ情勢も踏まえ資産運用の手段としてREITの購入を検討してみることも一案だろう。(ZUU online 編集部)

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