目次

  1. 英国REITの状況
  2. 低迷するREIT 市場の動きに流されやすい特質がデメリットに
  3. 市場平均連動型の不動産系インデックス・ファンドは順調
  4. 不動産バブルが縮小し始めた英国でREITは生き残れるのか?

英国REITの状況

本連載ではJ-REITを中心に解説し、前回【第6回】ではアメリカの変わったREITについて紹介した。そして最終回である今回【第7回】では、イギリスのREITの状況について解説する。米国REITの不調やそれに連動する形でのJ-REITの不調が指摘されているが、英国はどうなのだろうか。

米国や日本と大きく異なるポイントとしてはBrexitで、当然英国のREITにも影響を及ぼしている。

低迷するREIT 市場の動きに流されやすい特質がデメリットに

マイナス金利が追い風となって好調だったREITも、2016年春頃から、低迷を抜け出せない状況が続いている。世界経済をゆるがす出来事が相次ぎ、市場の流れに変化が現れたにも関わらず、ETF(上場投資信託)自体は好調だ。その点を考慮すれば、おのずとREITの弱点が見えてくる。

そもそもREITは不動産投資と似て異なる商品だ。実際に不動産を所有するわけではなく、対象となるのはその不動産が生みだす利益のみである。メリットであるはずの流動性の高さは、市場の動き次第で大きなデメリットに変わりかねない。

極論的には、REITが倒産、あるいは上場廃止になれば、所有株はただの紙切れと化すリスクは避けられない。

市場平均連動型の不動産系インデックス・ファンドは順調