リート,不動産
(写真=PIXTA)

現在東証には多数のRIITが上場しているが、「不動産に投資するファンド」という漠然としたイメージしか持っていない投資家も実は多いのではないだろうか。REIT投資を的確に行うためには、その基本的な仕組みを理解することが重要だ。

名前からは分からなかった 投資信託との違い

証券会社や銀行で販売されている投資信託の大半は、株式や債券などの有価証券をメインの運用対象資産としている。一方、REITは不動産投資信託(Real Estate Investment Trust)の名前の通り不動産投資を目的としている。

両者はファンドへの投資方法、運用資産の管理の仕方などの仕組みも異なっている。通常の投信の場合、証券会社や銀行などの窓口やインターネットで「投資信託受益証券」を買うことになる。買い方は金額を指定する方法と、口数を指定する方法がある。前者は何口買えるか、後者は支払額がいくらになるか売買が成立するまで分からない。ちなみに購入や解約は1日1回出される基準価格が適用される。

一方、東証上場REITへの投資は、投資法人が発行する投資証券を買い付けることにより行う。投資法人は投資専用の会社のようなもので、投資口(投資証券)を発行して集めた資金を不動産などへ投資し、その利益を決算期に投資家に分配している。投資証券は株式と同じように口数を指定して購入するのだが、東証の取引時間内であれば何時でも市場価格で自由に売買できる。特徴としては1口からでも取引できるところだ。

意外に新しいREIT市場

2001年9月10日に日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人が上場して以来、REITは増加していて、2016年3月20日現在、東証には53銘柄が上場。その時価総額は11兆円を超えるまでに成長ている。

銘柄別にみると 3月17日時点の53銘柄の中での最高価格は星野リゾート・リート投資法人の133万2000円だが、10万円を下回るものも6銘柄あり、少額からの投資も可能だ。分配金利回りは平均約3%で、預金や格付けの高い債券を大きく上回る利回りも得られる。REITの魅力の一つは、市場が創設されて以来、全銘柄合計の予想分配金利回りが国債利回り(10年)を下回ったことが一度もないことだ。

自分にあったものを見つけよう 種類別REIT

REITは投資対象不動産に応じて、いくつかのタイプに分類できる。まず分散効果を重視しいくつかの種類の不動産へ投資する複合型(16種類)がある。これと逆に特定用途の不動産へ投資するタイプもある。こうした特化型は「安定重視型」と「成長期待型」に大きく分けることができる。

「安定重視型」に分類されるのはマンションなどの住宅施設を保有する「レジデンス型」(9銘柄)、高齢者向け住宅や医療施設などへ投資する「ヘルスケア型」(3銘柄)だ。こうした人々の生活の根幹に関わる物件は、稼働率・収益率(賃料水準)を相対的に見て景気変動の影響を受けにくい。またエンドユーザー(入居者)の数が多く、分散効果が働くことも収益安定化に寄与している。

「成長期待型」に分類されるのはビジネスホテル、リゾートホテル、旅館などに投資する「ホテル型」(3銘柄)だ。景気動向に敏感な上に、地震、台風、火山噴火などの自然災害リスクもある。

3大都市圏や県庁所在地などのオフィスビルを投資対象とする「オフィスビル型」(12銘柄)、倉庫や配送センターなどを保有する「物流施設型」(4銘柄)、大型スーパー、ショッピングモール、飲食店ビルなどへ投資する「商業施設型」(4銘柄)には、安定重視型と成長期待型の両方がある。

例えば、同じようにオフィスビルを投資対象にしていても、トップクラスの物件比率が高いREITは景気動向に拘わらず安定した収益を確保しやすい一方、2番手、3番手クラスの物件を中心に保有しているREITは、稼働率・収益率(賃料水準)とも景気変動の影響を大きく受けるという違いがある。

似ているようで違う 不動産投資とREIT

不動産を収益源にするという点では現物の保有とREITへの投資に違いはないが、投資不動産から収益を得るための仕組みは大きく異なる。

自ら不動産投資を行う際は、あらゆることに自分で対処しなければならない。市場や物件情報の収集・分析、投資判断から契約、資金調達、そして施設管理などを直接行ったり、それらを委託する専門家を探したりしなければならない。また個人や中小企業が数百億円規模の資金を調達することは実質的に不可能なため、投資対象が戸建住宅、マンション(区分所有権)、アパート、雑居ビルなどに限られてしまうというデメリットがある。

一方REITの場合は、運用会社(AM)、管理会社(PM)、資産保管会社(信託銀行)などの専門業者が物件投資から納税申告までを全て担うだけでなく、大企業のように多額の資金調達が可能なため、個人では保有が難しい大規模施設へ投資することも普通に行われる。

個人で不動産に投資するには、それなりに資金が必要だし、できることには限界がある。そこで投資法人というプロの力を借りて、少額からでも投資できる仕組みがREITであると言えるかもしれない。(ZUU online編集部)

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