毎年発表されている首都圏の「住みたい街」ランキングだが、今回は首位が入れ替わるなど、ランキングに異変が現れている。吉祥寺が5年ぶりに1位の座から転落するなどの新しい傾向も見られた。
住みたい街 総合ランキング
まずはリクルート住まいカンパニーが2010年から発表している「住みたい街」ランキングの1位〜5位までを下から順に紹介する。
4位5位は武蔵小杉と自由が丘が同率となった。武蔵小杉は、10年前から知名度を徐々に上げ、4位まで上がってきた。タワーマンションの建設をはじめ、再開発により整備が進み、今やムサコマダムなるブランドまで生まれている。そして人気の理由は何といっても都心・横浜双方へのアクセスの良さが挙げられる。
同じく4位の自由が丘は昨年12位からの大躍進となった。もともとおしゃれで好感度の高い人気の街ではあったが、2015年から続々とファッションなどの新店がオープンしたことが人気に拍車をかけたようだ。自由が丘は情報サイトなど街ぐるみの情報発信も丁寧で、今度もますます注目されそうだ。
3位の横浜も根強い人気だ。おしゃれで観光スポットも充実しているが、海や緑など自然を近くに感じることができるという多面性が魅力だ。
また、もしも終電を逃してしまっても新宿から深夜バスが出ているなど便利な街である。
2位は5年連続首位を獲得してきた「吉祥寺」、2位になったものの根強い人気は健在である。駅前にはスーパー、デパート、家電量販店が立ち並び、基本的なものは何でも揃う。個性的でおしゃれなお店とリーズナブルな商店街などの共存も人気の1つだろう。交通の便も良いが、同時に井の頭公園などの自然が近くにあることも年代問わず、人気の理由だろう。
1位は「恵比寿」、調査開始以来初の1位獲得となった。恵比寿ガーデンプレイスをはじめ定番おしゃれスポットも多く、2016年春にはアトレの新館もオープンする。有名レストランや雰囲気の良いお店も多いが、意外とリーズナブルな価格のお店も揃っていることも人気の理由だ。また、JRと日比谷線が利用で着る他、少し足を伸ばせば渋谷、代官山、目黒、広尾など周辺の人気エリアに歩いて行ける散歩にも向いている街だ。
HOME’S版ランキングまとめ
次は、不動産・住宅情報サイト『HOME'S』を運営しているネクスト <2120> のHOME’S総研がまとめた「買って住みたい」「借りて住みたい」ランキングを見てみよう。1〜3位までは変動がなくどちらのランキングにもリクルート版と同様に吉祥寺・横浜・恵比寿がランクインしている。
2つのランキングから分かったことは、利便性の高い街が上位に来ているということだ。そして、特に上位3つの街はおしゃれな店が多い一方で、自然や庶民的な店も多いという二面性がある。
借りて住みたいランキング6位には繁華街である新宿が入っている。前回ランク外からの大幅アップだ。多様なアクセスが可能なことからも東京の中心地として捉える人も多く、借りて住むとなるとライフスタイルにあった利便性の高さは魅力的だろう。
意外な穴場ランキング
1位には昨年に引き続き北千住がランクイン。利便性のほか、再開発により街が活性化していることがポイントだろう。マイナスイメージだった治安の悪さが改善されたことも大きい。
注目すべきは3位〜5位までに山手線の山側の池袋、巣鴨、大塚が並んでいることだ。山手線沿線で利便性が高いにもかかわらず他の沿線駅に比べ家賃が安く、昔ながらの商店街の賑わいもあり、生活しやすいだろう。
「買って住みたい」「借りて住みたい」を比較してみると、ランクインする街の傾向に差があり、やはり借りて住む場合は、その時のライフスタイルに合った街を選ぶ傾向にある。
一方で、買って住むとなると終の住処と考える人が多いようだ。特に子育て世代は治安の良さ、公園の有無などの住環境を優先させるのだろう。 (ZUU online編集部)