株式相場見通し,チャート好転
(写真=PIXTA)

日経平均予想レンジ 17,291~17,905円

今週の株式相場は、週初は円高・原油安で揺さぶられ日経平均は16,254円まで売り込まれた。その後、欧米株高・原油高や円安進行に加え、週末には「日銀が金融機関貸出しにマイナス金利適用報道」で、2/3以来となる17,500円台水準まで上昇した。

値動きの目まぐるしい相場展開となった要因として、先週開かれたG20で、為替相場に対する日米当局の見解不一致から107円台に円高が進行したうえ、ドーバで開催された主要産油国の増産凍結が物別れに終わり、原油価格が37ドル台に急落したことがあげられる。

もっとも、先週ヘッジファンドなどの投機筋が膨らませたポジションの巻き戻しが値動きの目まぐるしさを引き起こしたとみることができる。

需給動向では、欧州系証券の日経225先物6月限の売り建玉が4/15現在2.23万枚と発表されている。買い戻しとなれば「踏み上げ相場になる」との思惑が市場では広がっている。また、4月第2週、外国人が第1週に続き3,800億円の大幅買い越しとなり、投資家心理改善には追い風となろう。

チャート面は好転してきた。3/14高値17,291円を上抜け、4/8安値15,471円の2番底形成が確認された。25日線は上向きに転じ、75日線とのゴールデンクロス形成となれば強気シグナルが点灯する。2/2の窓埋め17,684円や2/1高値17,905円が視野に入り、踏み上げ相場から本格反騰への可能性は強まってくる。

注目点として、4/27-28に開かれる日銀会合で、物価下落や日銀短観悪化を受けて、ETFやマネタリーベース年間80兆円の資金供給のペース増額などの追加量的緩和に踏み切る可能性が考えられる。

日銀が補完的措置を発表した昨年12月とマイナス金利を発表した今年1月の会合後、追加の量的緩和を見送り、市場の失望感を増幅させた。結果として、投機筋の円買いポジションは過去最高水準に迫っており、これをきっかけにポジションを減らす可能性は大きく、相場への好影響が期待される。

以上、来週は大規模な財政出動や消費増税見送り、日銀の量的追加緩和など、政策期待が株価下支え要因となる。ただ、企業業績への警戒感が強まるなかで、実需買いが入り売買エネルギーの増加につながるかが、反騰力の鍵を握ることとなろう。日経平均のレンジとしては、上値は2/1高値17,905円が意識され、下値は3/14高値17,291円が目処となる。

株式相場見通し4-22

伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト