世界で最もアルコールの消費量が高いのは東欧州のベラルーシ共和国であることが分かった。世界保健機構(WHO)が2014年に発表した『アルコールと健康に関する世界の状況レポート』によるもので、調査対象となったのは191カ国。
上位20カ国を見てみると、韓国とオーストラリアを除いては欧州諸国で、とりわけ東から中央欧州にかけての「飲みっぷり」が圧巻だ。
飲酒者は全体の4割弱 実際の世界平均消費量はもっと多い?
韓国以外のアジア諸国は日本71位、タイ76位、中国89位、フィリピン107位、シンガポール152位など、軒並み平均(年間1人当たり6.2リットル)あるいはそれ以下の消費量となっている。そのほかドイツ23位、英国25位、南アフリカ30位、米国48位、イタリア87位といったビールやワイン、蒸留酒の産地と知られる国がそれほど上位にあがっていないことから、「消費量と生産量は比例しない」ことも明らかになった。
この調査では各国のアルコール消費量を純アルコール率に換算し、15歳以上の人口数から1人当たりの消費量を割り出している。“世界一の酒豪国”ベラルーシの年間平均消費量(17.5リットル)も、数字上では5%濃度のビールが350本程度ということになり、「1日1本以下ならそれほど大したことはない」という印象を受ける。
しかしレポート内では「15歳以上の飲酒者が全体の38.3%」という事実も報告されており、こうした調査背景を考慮すると、実際の平均消費量は発表されている数字をはるかに上回ることになる。
アジアで唯一の酒豪国は韓国 日本は2位
伝統酒「マッコリ」が有名な韓国。無類の酒好き国民というイメージに加え、「下戸は出世しない」とまで言い切ってしまう正真正銘の「酒豪国」だ。日本のように晩酌の習慣はなく、大勢でワイワイと際限なく飲み明かすのが一般的だという。
調査結果では、ビールやワインといった軽めのアルコール消費量が極端に低く、「その他(ビール、ワイン、蒸留酒以外)」に分類される濃度の高いアルコールが75%を占めているのが特徴だ。
一方アジア圏では韓国に次いで2位の日本だが、消費量は7.2リットルと韓国の6割にも満たない。最も好まれているのは蒸留酒(52%)で、その他(24.7%)、ビール(19.2%)、ワイン(4.1%)と続く。国によって好まれるアルコールの種類が異なるのも面白い。
酒豪国トップ20中、18カ国は欧州
18位 クリアチア 12.2リットル
18位 オーストラリア 12.2リットル
18位 フランス 12.2リットル
15位 韓国 12.3リットル
15位 フィンランド 12.3リットル
15位 ラトビア 12.3リットル
14位 ポーランド 12.5リットル
13位 グラナダ 12.5リットル
12位 セルビア共和国 12.6リットル
11位 ポルトガル 12.9リットル
9位 スロバキア 13リットル
9位 チェコ共和国 13リットル
8位 ハンガリー 13.3リットル
7位 アンドラ公国 13.8リットル
6位 ウクライナ 13.9リットル
5位 ルーマニア 14.4リットル
4位 ロシア 15.1リットル
3位 リトアニア共和国 15.4リットル
2位 モルドバ共和国 16.8リットル
1位 ベラルーシ共和国 17.5リットル
上位に来ている国々は冬の寒さが厳しいところも多く、体を温めるためにもアルコールが必要という側面もあり、次回の調査でも上位にくるだろう。(ZUU online 編集部)