日本株投資戦略,好決算銘柄
(写真=PIXTA)

株式市場が波乱となっています。日経平均株価は4/25(月)に一時17,613円と2/2(火)以来の高値水準を回復しましたが、その日から下落に転じ、5/2(月)には一時16,000円台を割り込む場面もみられました。特に4/28(木)の日銀金融政策決定会合で、市場参加者の多くが期待していた追加緩和が見送られて以降の2営業日は計1,100円に達する下落になっています。

しかし、こうした波乱局面は好業績銘柄の買い場になるケースも多いと考えられます。4/28(木)までに多くの主要銘柄が決算発表を終えましたが、好業績のため、通常の相場であれば上昇していても不思議でない銘柄もツレ安状態になっている可能性があります。今回の「日本株投資戦略」ではそうした銘柄の発掘を試みてみたいと思います。

「波乱相場で買い場到来」が予想される好決算銘柄は!?

さっそく、波乱相場で逆に買い場到来が期待される銘柄の抽出を試みてみたいと思います。スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)時価総額1,000億円以上(4/15現在)の上場銘柄であること。
(2)3月決算銘柄で、銀行、証券・商品先物、保険など広義の「金融」以外の業種に属すこと。
(3)4/28(木)までに決算発表を実施した銘柄であること。
(4)2016/3期の営業利益(実績)が事前の会社予想を上回っていること:表1での(A)がプラス値となること。
(5)2017/3期の会社予想営業利益が事前の市場予想を上回っていること:表1での(B)がプラス値となること。
(6)2017/3期の会社予想営業利益が増益となっていること:表1での(C)がプラス値となること。

上記した(1)~(6)の全条件を満たす銘柄について、(6)であげた17/3期の予想増益率が大きい順にすべて並べたものが表1の銘柄で、波乱相場で逆に買い場となる可能性の大きい銘柄としました。

前回の日本株投資戦略でご紹介した銘柄は、決算発表前のタイミングで投資対象となりえる銘柄を探った点に特徴があります。今回は、まだ全体の一部ではあるものの、決算発表を終えた企業を対象としました。

今回ご紹介したような銘柄は堅調な相場であれば、決算発表後すでに大きく上昇してしまい、むしろ過熱感が強まってしまうことも多いと考えられます。しかし、株式市場全般が波乱となっている現在のような状況下では、他の銘柄にツレ安しているか、上昇の頭を押さえられている可能性が大きいと思われます。ただ、業績面で他の銘柄よりも評価できる点が多いということは、相場に落ち着きが出てくれば、好評価を得て株価が上昇する期待も大きいと考えられます。

我が国の上場企業を取り巻く事業環境は急速に悪化しているのが現実で、アナリストの業績予想も次第にそれを織り込んだ厳しいものになってきています。そうした中、実績・会社予想ともに、市場予想を上回っている銘柄には、アナリストが評価しきれていない強みが秘められている可能性もあると考えられます。決算発表後、企業調査等を通じて、そうした強みが認識されてくれば、目標株価やレーティングの引き上げ等を通じ、株価が上昇してくる可能性があると考えられます。

表1:波乱相場で買い場到来の好決算銘柄7選