経済協力開発機構(OECD)が加盟国34カ国における「男女賃金格差」の実態を調査した最新レポートから、男女の平均賃金格差が最も大きいのが韓国、日本は韓国に次いで2位であることが判明した。

多くの国が男女賃金格差の縮小に向けて雇用環境の見直しに取り込んでおり、日本や韓国でも縮小を目指して様々な取り組みや提案がなされているが、両国の男女賃金格差は「長年の歴史」を感じさせるほど定着してしまっているようだ。

ほかにも「先進国」「経済大国」といわれる米英日などの国が上位である事実も相変わらずなところを見ると、国際化や経済成長、テクノロジーの進化だけでは「埋められない壁」といったところだろうか。

万年2位から抜け出し「女性が輝く日本」になれるのか?

1986年に男女雇用機会均等法が施行され、最近ではアベノミクス戦略の1つとして女性の社会進出に焦点が当たっている日本。

1975年には40%を超えていた格差が26.6%まで縮まったが、同様に40%前後から17%代への引き下げに成功した米英と比較すると、さらなる改善とスピードアップが求められる。

日本の根強い格差の要因は、「女性の社会進出への遅れ」にあるといわれている。世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している「国際男女格差レポート」でも、日本は145カ国中101位と極めて評価が低く、長期雇用と年功賃金が連結している日本の雇用制度が、女性の社会進出だけではなく、賃金格差の改善速度を弱めていることがわかる。

12年連続で不名誉な首位となった韓国は、40年前には格差が50%を上回っていたーーつまり女性は男性の半分以下の賃金で労働を強いられていたというから驚きだ。現在は36.6%とユックリとしたペースで改善されているが、より強力で大胆な改革ナシでは他国の水準に追いつくことは難しいだろう。

この調査は2013年のOECD加盟国の男女賃金格差(全時間就労者のデータのみ使用)を算出したもので、34カ国の平均格差は13%となっている。

前年版(2012年のデータ)では20位にランクインしていたスイス、フランス、イタリア、スペインなどが圏外に。代わって5位だったフィンランドが3位に上昇しており、各国の男女賃金格差への取り組みの差を反映する結果となっている。

男女賃金格差が大きい20カ国と格差

20位 ニュージーランド(5.6%)
19位 ベルギー(5.9%)
18位 ノルウェー(7.0%)
17位 ハンガリー(8.7%)
16位 ギリシャ(11.3%)
15位 アイルランド(12.8%)
14位 ドイツ(13.4%)
13位 スロバキア共和国(14.1%)
12位 アイスランド(14.5%)
11位 メキシコ(15.4%)

10位 チェコ共和国(15.5%)
8位 チリ(16.7%)
8位 ポルトガル(16.7%)
7位 英国(17.5%)
6位 米国(17.9%)
5位 オーストラリア(18.0%)
5位 オーストリア(18.1%)
4位 カナダ(19.3%)
3位 フィンランド(20.2%)
2位 日本(26.6%)
1位 韓国(36.6%)

(ZUU online 編集部)