今後住み替えを希望している世帯は全体の約2割、そのうちの約6割が5年以内に住み替えようとしている。若い年代程、住み替え予算を借り入れに頼る傾向がある一方で、資金的制約が課題になっている。
住み替え希望世帯
◆住み替え希望世帯は全体の約2割
今後または将来住み替えを考えている世帯は全体の19.5%。そのうち58%が5年以内に住み替えを実現しようとしている。
◆住み替え希望世帯のうち半数近くが持ち家への住み替えを希望
住み替えを考えている世帯のうち、48.8%が持ち家への住み替えを希望しており、持ち家の種類としては、「新築注文住宅」が32.6%で最も割合が高く、次いで「新築か中古かはこだわらない」が26.6%で高くなっている。「中古住宅」は11.1%で、「新築分譲住宅」の10%より高くなっている。
住み替えの課題
◆若い年代程、住み替え資金に借入金が占める割合が高い
持ち家への住み替えを希望する世帯の住み替え予算を見ると、「1,000~3,000万円未満」が43.7%で最も割合が高く、次に「3,000~5,000万円未満」が23.9%で高くなっている。(図表5)
家計を主に支える者の年代別に、持ち家への住み替え予算に占める借入金の割合を見ると、概ね若い年代程借入金の割合が高くなっており、「9割以上」は30歳未満で28.5%、30~39歳で23%を占めている。若い世帯程、借り入れに頼らなければ持ち家を取得できないことが分かる。(図表6)
◆若い年代程、資金的制約が課題
持ち家への住み替え上の課題を、家計を主に支える者の年代別に見ると、50歳代まで、「預貯金や返済能力の不足、またはその可能性がある」の割合が最も高くなっている。また、年代が若い程その割合が高い傾向がはっきり出ている。(図表7)
若い世帯程、持ち家取得にとって資金的制約が課題になっており、主に自己資金不足と収入の低さから来るものと考えられる。したがって、若い世帯の持ち家取得では、取得予算を極力抑えることが必要になるだろう。「予算の範囲で気に入った住宅がない」という回答が若い年代で比較的高いのも、そうした事情を反映しているものと思われる。
塩澤誠一郎(しおざわ せいいちろう)
ニッセイ基礎研究所 社会研究部
准主任研究員
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