2000年代、「IT企業、ベンチャー企業への注目度が一気に高まった。当時注目されたベンチャーの中には、今や巨大な企業に成長したところも多い。現在では、FinTech企業が次代の成長企業になるのではと注目されている。まだまだ人材不足だとの見方もあるが、拡大していく分野の一つとして、そこで働く人にはより高いレベルのスキルが求められる。
FinTech企業の中には、国境や国籍の違いも越えるサービスに取り組むところも少なくない。国境をまたぐサービスを提供するには、企業自体の「国際性」が重要だ。
その好例が、PFM事業を提供するマネーツリーではないだろうか。個人の銀行口座から、カード支払い、電子マネー、ポイントまで幅広く管理できるアプリを提供するという、IT・FinTechベンチャーという顔がある。またオーストラリア出身のポール・チャップマン氏が創業し、多くの国々から社員を募っているという国際的な顔も持っている。同社はどんな「職場」でどんな「働き方」をしているのだろうか。
国籍は7カ国、職場はまさに多国籍
まずは同社の「国際性」に焦点を当てよう。すでに言及した通り、マネーツリーを創業したのは、オーストラリアにルーツを持つチャップマン氏で、その点から海外ととのかかわりを意識させずにはいない。3人の創業メンバーには、ロス・シャロット氏とマーク・マクダッド氏となっており、日本の視点からはそもそも「国際的」なのだ。
職場についても、国際色は豊かだ。同社のマーケティング部長であるザック・タウブ氏によれば、社員の国籍はなんと、7カ国。オーストラリア、日本のほかに、アメリカ、イギリス、スペイン、ニュージーランド、インドネシアと多彩な国籍を持つ社員達が活躍しているという。
ザック氏は「(オフィスの所在地の)原宿に会社もありいろいろな背景を持つ人々が一つの目的に取り組むのは、未来の東京のワークスタイルだとも言えるだろう」と、職場の雰囲気を説明している。
また国際的な職場環境では、言葉のカベが意思疎通の障害にもなりがちだが、マネーツリーではそのような困難もないとのこと。日本語と英語の両方を話せるスタッフがどちらかの言語しか話せないスタッフらを仲介し、言語のカベも乗り越えていくような状況ができているという。つまり、語学力については大きな問題とはならなそうだ。