2社のネット証券口座開設を終え、ようやく株取引を行う準備が整いました( 前回 、 前々回 参照)。とはいえ、完全な初心者であることには変わりない筆者。「株式投資=危ない、怪しい」というイメージは払しょくされたものの、やはり失敗は怖いです。
ファイナンシャル・プランナーの高橋さん
も仰っていたように「やめずに続けること」をまずは目指したいので、まずは少額からでも実際に取引をすることにしました。仕組みや取引方法を覚えていくことなどを目的に、「ミニ株」と呼ばれる株式の購入から始めることを決めました。
ミニ株とは?
ミニ株は、正しくは「単元未満株」と呼ばれるものです。これは株式投資の勉強を開始して始めて知ったことなのですが、株は1株から購入できるわけではなく、基本的には「単元株数単位」で注文することになっています。単元株数は企業によって「100株」「1000株」など異なるそうです。
例えば歯ブラシ・洗剤などのオーラルケア用品で有名な「ライオン」を例に挙げてみると、単元株数は1000株で、1株あたりの株価は約1600円のため(2016年6月中旬時点の株価です)、ライオンの株式を保有するためには、最低でも160万円(!!)の投資金額が必要ということになります。
一方、「単元未満株」であれば数百~数千円程度から注文できるため、学生でも購入できたり、安い金額で株取引の練習などができることがメリットだそうです。また、今後に成長が見込まれる企業の株を1株でも保有しておく、という方法もあるそうです。
デメリットとしては通常よりも手数料が割高になってしまうことや、株主優待が受けられないことなど。ただ、「端数優待」というものがあり、例えばアパレル企業のハニーズは10株保有でも優待を受けられたり、少数ですが1株保有でも優待を受けられる企業もあるそうです。
ミニ株を買えない証券会社もある?
また、単元未満株は、ネット証券会社によって取扱いがある所とない所があることを知りました。また、「ワン株」など証券会社独自の呼び名をつけている所もあります。
なるほど、どのネット証券でも注文できるわけではないのか…。確認すると、口座を開設したSBI証券は買い付けと売却の両方が可能で、松井証券は売却が可能とのこと。そのため、単元未満株はSBI証券から購入することになりました。SBI証券では「S株」とも呼ばれているようです。
いきなり失敗!「買付余力」って何…?
「よし!ついに株取引を開始できるぞ!」と意気込んでいたのはよいのですが、ここで予期せぬ出来事が。
インターネットからSBI証券の口座にログインし、気になる銘柄の単元未満株を買う画面まで行きついたのはよいのですが、「買付余力が不足しております」との表示が。「?」と思いトップページに戻ってみると、確かに買付余力 “0円”の表示。
「か、買付余力って何?」慌てて調べたところ、「当日に買付可能な金額の上限」とのことでした。つまりネット証券口座開設をしても、ネット証券口座の中に資金がなければ株は購入できないとのことだったのです!ガーン…。
これは「市場に魚を買いに行ったけれど、財布を開けたら中に1円もお金が入っていなかった」というようなもの。「どの魚を選ぶか」の前に、「どの魚も買えない」というトホホな状況だったのでした。
よくよく考えてみれば、口座開設をした“だけ”では口座の中にお金がないわけですから、金融商品は買えないということですよね…。
買いたいときに買えない!とならないために…
銀行の預金口座開設の場合は最初に預かり金を入金するため、残高がゼロということはありませんが、ネット証券口座の場合は違うことを知りました。
急いで口座を登録しているネット系銀行からSBI証券の口座へ入金を行いましたがその日はすでに夕方。入金の反映は翌日の朝ということで、その日のうちに株を購入することはできませんでした…。
今後、ネット証券で株式投資にチャレンジしようと考えている方は、口座開設後、すぐに入金しておくことをおすすめします!また、ウェブ振込が可能なネット証券会社の場合にはあらかじめ申し込みをしておくと便利だと思います。
銀行振込の場合はATMに時間内に入金をしに行って反映を待つ必要があり、振込時間が遅くなると筆者のように当日の取引ができないこともあります。一方、銀行口座からウェブ申込みの登録をしておけば、時間内であればインターネットから買付余力の即時入金ができるそうです。筆者も今後のことを考えて、ウェブ振込の申し込みをすることにしました。
翌朝SBI証券の自分の口座にログインしてみると、無事、「買付余力金」が入金されていました。
いやはや、よかった…。今度こそ、初めての株取引開始です!ちなみに、単元未満株は数百円でも注文が可能ですが、SBI証券口座には5,000円以上の入金から可能となっていました。
気になっていた企業の株を「ポチッ」
国内株式のページから、購入したい銘柄を検索します。気になっていた銘柄があったので、今回はそちらの企業の株を1株購入することにしました。それが「富士電機(6504)」。自動販売機などの商品で知られる大手電機メーカーです。
「せっかく株を買うなら、何か楽しみがあるとさらにいいなぁ」と考えていたところ、富士電機は1株からの保有でも優待が受けられ、権利確定月となる6月末の時点で株を保有している株主全員に自社オリジナルカレンダーがもらえるということを知り、気になっていたのです!
富士電機のページへ。「現物買」という所をクリックします。
「単元株」「単元未満株(S株)」という表示が出てきたので、「単元未満株(S株)」を選択すると、下記画面になりました。
現在値や始値、終値などの数字を見ることができます。ここでいまひとつわからないのが、株の“値”。「いつが買い時」なのかがいまひとつ(というより全く)まだわかっていません。ただ、今回は単元未満株ということで、金額もほぼ変わらなさそうなので気にしないことにしました。
株を買うときには手元にパスワードをメモしておこう
株数に「1株」と入力し、口座開設の際に送られてきた取引パスワードを入力します。これがないと注文ができないため、取引パスワードが書かれた用紙を手元に置いておくか、メモなどに控えておくとよさそうです。
すると、下記のような確認画面が出てきました。支払う金額は、手数料、消費税を含めて1株545円です。いよいよ、「注文発注」をクリックします。
すると、「ご注文を受け付けました」の表示が。ついに株の注文に成功しました!1株ではありますが、晴れて“株主デビュー”をすることができました。
今回、単元未満株の注文をしてみて感じたこと
今回、単元未満株の注文をしてみて感じたことは、「とりあえずやってみてよかった!」ということです。やはり、頭で考えているのと実際に行動するのとでは違いがあることを改めて感じました。
途中アクシデントもあり、注文するまでは「本当に注文まで行きつけるのかな…」と不安もあったのですが、ひとつひとつ段階を踏みながらやっていけば、超初心者でも株取引ができるんだ!と実感しました。
株式投資デビューの筆者にとって、少額から注文できる単元未満株の存在はありがたいです。また、今回注文した富士電機のように、単元未満株でも優待が受けられる企業もあるということにもおもしろさを感じました。
大学時代にやっておけばよかったかも
“株取引”を体験するだけでも勉強になりますし、今回かかった金額は「マンガ1冊」「カフェ代」程度。こんな株取引があるなら、大学時代などに勉強としてやっておいてもよかったかもしれません。
株注文の操作も単元未満株はシンプルでしたが、単元株は「指値」「逆指値」「期間限定」など、注文方法が少し複雑なようです。情報収集をしつつ、今後も株取引を続けていこうと思います!
Y子
大学卒業後、出版社勤務等を経てフリーライターに。インタビューや取材、記事制作などを行う。20代の終わりが近づき、ただ漠然と貯金をすることに疑問を感じ「投資」に関心が出てきた。
(提供: DAILY ANDS )
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