「憲法改正への強い意思が働いている」
日本経済と同じくらい海外メディアが興味を示したのは、ニューヨーク・タイムズ紙に今年5月、「広島の平和の教訓を活かしていない」と批判された、安倍政権の目指す憲法改正への動きだろう。
英BBC放送は、安倍首相の経済政策を前面に打ち出した選挙戦略の裏に、「憲法改正への強い意思が働いている」と指摘。任期が終了する今後の2年間で、軍事行動の制約緩和に向け、安倍首相が意欲を示していると報じた。
米ABC放送も、安倍首相が選挙戦では「軍事制約緩和の可能性について触れなかった」点を指摘。
しかし改憲派が3分の2の議席を得たことで、憲法9条、日米同盟の下で維持されてきた「平和の国」が、別のものに変わるという懸念が欧米メディアの間にはあるようだ。特に中国に代表されるアジア近隣国の警戒心が高まるのではとの懸念もでている。
そのほか「米大統領選や英EU離脱の影響が、参院選にほぼ反映されていなかった」という点で、驚きを隠さない報道もあった。
この辺りは海外情勢、特に欧米の動きを自国と一歩切り離したところで見守る、多くの日本国民の特性を反映しているのかと思われるが、欧米のメディアの目には「不思議な国、日本」と映るのかもしれない。(アレン・琴子、英国在住のフリーライター)
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