スマホ証券「PayPay証券」は、米国に手軽に投資できるアプリサービス。スタバ、ナイキ、マクドナルドなど株初心者にとっても身近な米国著名銘柄のみそろえており、投資のすそ野を広げると期待されている。
クローズドサービスから一般サービスへの移行も同社では完了。孫正義会長のソフトバンクから10億円の出資を受けたことも明らかにしており、さらに弾みをつけた格好だ。
「投資をもっと身近にしよう!」をスローガンに掲げ、さらなる成長を目指す同社はどのようなチームを作ってきたのか、あるいは今後どのように組織や人事制度を整えていくのか興味深い点でもある。
今回はそこで、PayPay証券が今後どのような組織や職場を目指していくのか、人事総務部長の水野喜道氏に伺った。
「ムチャ振りも平気」「ジャージを着て徹夜」もできる情熱的な人材求めます
スマホ証券アプリを世に出したばかりのPayPay証券はまだまだ「ベンチャー」や「スタートアップ」という言葉の似合いそうな職場だ。同社のオフィスで働くのは現在、約40人と小規模で、一般サービスの公開にこぎ着けた現在まで、全社一丸となってプロダクトやサービスを構築してきた。
「スタートアップらしさ」は同社の自己認識にも表れている。PayPay証券自身はまだまだ「生き残りをかけて取り組む段階」だとしており、水野氏は現状を「大きな企業になると、多くの関係部署とのしがらみなどもあり人間関係が大変になってしまうこともあるが、現在のPayPay証券ではまだまだ少人数なので、コミュニケーションもとれている。また人間関係にこだわっている場合ではないのが実情」と解説する。またスタートアップにつきものだと思われる「ムチャ振り」を乗り切るだけの情熱や意欲が求められているという。
例えば、同社にはほぼ新卒で入ったスタッフがおり、入社早々に大きな課題を与えられたこともあったという。入社直後に、いきなり事業企画を作らなければならず、一見しただけでは過大なタスク。ただ同スタッフはエクセルと格闘しながら作り上げて、なんとか乗り切れたそうだ。
さらに「ムチャ振り」を受けるのは、新卒など若い社員だけではないという。マーケティング部門でも、林和人社長から「スマホ証券アプリ用のマンガを作ってほしい」との依頼を受けたことがあるという。マンガなど作った経験のある人もいなかったが、思い切ってチャレンジ。そこでできたのが、スマホ証券アプリで読める、各社の創業ストーリーのマンガだという。
そうは言うものの、誤解のないように明記しておきたい。PayPay証券は、「ブラック企業ではない」(同社)という。水野氏も、職種によって制度も異なるが、勤務時間は基本的に、9~18時と定時が決まっているなどと解説。具体的には、マーケティングやシステムといった部門では、裁量労働制の下で働いているスタッフもいるとのことだ。