ご祝儀買いに沸く「オートファジー」関連銘柄

翌4日の東京株式市場では、ご祝儀買いも含め、「オートファジー」につながるバイオ関連銘柄に人気が集まった。そこでここでは、実際に大きな動きを見せた銘柄を挙げてみることにしたい。

◆ コスモ・バイオ <3386>

バイオ専門商社である同社は、研究試薬、実験機器、臨床検査薬などの販売事業のほか、細胞関連製品の開発製造にも注力している。「オートファジー」の研究、製品開発に関しても、検出キットの蛍光試薬や抗体などの関連試薬を扱っていることから一気に買いが殺到し、10月4日にはストップ高買い気配のまま午前の取引を終えた。

4日の終値は1660円だったが、その後は沈着化し、終値ベースで見ると、5日は1471円、6日は1430円、7日には1411円といった動きになっている。

◆ タカラバイオ <4974>

遺伝子研究用試薬や理化学機器販売を主軸に置く東証1部上場のタカラバイオは、遺伝子医療研究に注力していることでも知られている。大隅氏が仕組みを解明した「オートファジー」の研究に役立つ製品を手掛けていることから、10月4日の出来高は前日の20倍近くになる大商いとなった。

終値ベースでは10月4日が1711円、5日が1669円、6日が1689円、7日には1549円と、徐々に落ち着いた動きに戻っている。

◆ トランスジェニック <2342>

創薬用マウスの作成技術に一日の長を持つバイオベンチャーのトランスジェニックは、前社長で現在は技術統括担当取締役を務める山村研一熊本大学シニア教授の技術を基軸に置いている。山村シニア教授は「セルレイン膵炎におけるオートファジーの制御機構」などの論文を発表しており、今回の大隅栄誉教授のノーベル賞受賞との関連で同社も大いに注目される結果となった。

同社の10月4日の出来高は、前日の12.5倍にあたる大商いとなった。終値ベースでは、4日が673円、5日が663円、6日が659円、7日は624円となっている。

◆ 医学生物学研究所 <4557>

臨床検査薬や研究用試薬を製造する医学生物学研究所は、自己免疫疾患などの難病領域に強みを持つ。同社はオートファジー誘導の有無を判断するキットを提供するなど、「オートファジー」の本命銘柄と見られている。

4日にはストップ高の569円で取引を終え、翌5には4日の実に50倍以上、3日と比べても13倍近くの大商いとなっている。終値ベースでは、5日は533円、6日は507円、7日には500円と、ようやく落ち着きを取り戻したようだ。

いずれにせよ、オートファジーは基礎研究の段階にあり、日本製薬工業協会によれば「創薬への研究は始まったばかり」なのだという。今回のノーベル賞を機会に、こうした基礎的な分野が、長い目で見た関心を集めるようになることを期待したい。(ZUU online 編集部)

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