◉2012年Forbesの長者番付にみる、中国のビリオネアの最新動向


◯ビリオネアの人数は、残念ながら減少へ

フォーブスが2012年3月に発表した世界長者番付では、中国人長者数は2011年の115人から95人に減少しました。
これまで、中国ではビリオネアの人数が拡大を続けていたため、その勢いを維持出来なかったことになります。
昨年のランキングと比較して、今年は計117人のビリオネアがランキングから除外されました。そして除外された富裕層のうち、中国人のビリオネアは全体の3分の1以上である40人に達しました。

世界全体での番付入りをした方の人数は、2010年で1011人、2011年は1210人、そして2012年は1226人と、世界経済の低迷をものともせずに増加しています。

このような大幅な減少は、近年では初になります。
2012年の上半期に発表された別の中国人長者番付(胡潤長者番付)によると、中国での富裕層上位100名での総資産総額は、前年比7%減の2200億ドルとなりました。
また、7人もの方が、50%以上その資産を減少させてしまっています。

なお、2012年の他国の状況については、下記の記事もご参照ください。

2012年、躍進する新興国とネット企業〜この20年、億万長者の世界にはどんな変化があったのか3/3〜

いつかは来るバブルの終わり、その時資産を残す人と無くす人の違いとは?〜この20年、日本の億万長者の世界にはどんな変化があったのか2/2〜

◯不調の原因① 株式市場の下落

2012年、中国国内の株式市場が低迷しており、その改善傾向が見られないことが中国人ビリオネア減少の大きな理由です。

参考資料

上海/シンセン CSI300指数 (SHSZ300) 指数概要

中国 上海総合指数 (SHCOMP) 指数概要

しかしここで特徴的なことは、ビリオネアや大富豪達の株価下落への対応力は、市場平均のそれを大きく上回っていることです。
フォーブスが2012年に中国人長者番付を発表した際、上海総合指数は前年の同ランキング発表時と比べ20%低下していました。これと比べた場合、7%減というのは、まずまずの成績といえます。