ネット金融,滞納,債務者,中国
(写真=PIXTA)

中国政府は間もなくネット金融の借金滞納についての政策を発表する。銀行監督管理委員会の「網絡借貸信息仲介業務機構活動管理暫行辯法」と国務院辯公庁の「互聯網金融風険専項整治工作実施方案的通知」という2本である。急速に拡大するネット金融と返済滞納が、社会問題化しつつある。

滞納者の男女比、年齢層

大手保険会社・中国平安保険傘下の信用調査会社「前海征信」は掌握している大量のデータから、滞納の実態を描出したレポートを発表した。それは、滞納を減少させるカギは貸付ける顧客の選定にあるという当然の前書きから始まっている。

まず滞納者の男女比である。男75%、女25%と男のほうが圧倒している。長期滞納者になるとさらに男の比率は増える。

年齢層では31~40歳が最も多く、全体の35%を占める。この年代は家庭でも事業でも、最も資金不足に陥りやすい。次に多いのは26~30歳で18%くらい。30歳以下は全体の26%だが、そのうち25歳以下の若者は8%と高くない。

個人信用の歴史が浅いこの年代では、貸方の審査も、学歴学籍、父母の信用状況で決まってしまう。そのためかえって信用維持の意識が育たないという。とにかく26歳から急に借金が増え始め、26歳~40歳までで全体の過半を占めている。

滞納者の職業、学歴

職業別では次のようになっている。

1 企業基層工作人員(会社員イメージ)……31.8%
2 工場労働者……18.7%
3 企業管理職層……11.4%
4 国家機関下部機関員……9.3%
5 個人事業主……9.0%

学歴別では、大学専科(2~3年制)卒……34%、中等専業校卒……20%、大学(4年制)卒……18%、高校卒……15%、中学卒……8%、大学院卒……5%などとなっている。大学専科とは、〇〇高等職業学院などの名称のところである。

30代男、大学専科卒、職業教育は受けているが、企業では最下層のホワイトカラーで、あまり出世の見込みなし。というイメージだろうか。

初めての借金はネット金融から

その他、地域別シェアは、広東省が8%を占めトップ、2位・山東省、3位・江蘇省、4位・浙江省、5位・福建省、と沿海の先進地帯が続く。広東省は貿易大省で、金銭業務で往来する人が多く、資金重要が高い、と解説されている。

最期にリスクコントロールこそ、ネット金融機関発展生存の根本と述べている。延滞者数はネット金融機関のレベルを表す決定的指標である。それはネット金融機関への投資者にも影響を与え、投資資金の減少をもたらす。

また、一度滞納した者が、2年以内に再び延滞する可能性は、一般の人の11倍であるという。またこの1年で新たにネット金融を申し込んだ者のうち、61%は、従来型金融による借款記録がなかった。逆に従来型金融に新規融資を申し込んだ者の51%には、ネット金融の借款記録があった。つまりネット金融は初めての借金の窓口となっているのだ。そして滞納者は増加中で、期間も長期化している。

とにかく中国人は金銭のことになると法律などまるで眼中にない。新しい政府指針が、歯止めとなるかどうか、はなはだ疑問ではある。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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