強気のガイダンスで上方修正

東京エレクトロンが28日に発表した上期決算は、売上高が前年同期比3.5%増の3527億円、営業利益が同2%減の600億円となりました。売上高はファンドリの旺盛な先端投資やDRAMメーカーの微細化投資により従来計画を230億円近く上回っています。

特に台湾向けの売上高が2半期連続で800億円を超え高水準が続いているほか、中国向けも540億円と半期ベースで過去最高となっています。こうしたなか営業利益は減益ながら計画を110億円上回って着地しています。

上振れた上期実績に加え、ファンドリの旺盛な先端投資が続く見通しで下期の半導体製造装置の売上高が3854億円と下期として過去最高になる見込みのなか、東京エレクトロンでは通期計画を上方修正しています。

売上高をこれまでの7140億円から480億円増の7620億円へと、営業利益を1240億円から160億円増の400億円へと引き上げています。また、これに伴い年間の1株当たりの配当金も260円から305円へと増額し3年連続で過去最高となる見通しです。

従来示してきた次の四半期(3カ月間)の半導体製造装置の受注見通しは、顧客の投資が非常に大きくなってきていることや、発注の前倒しがあったりすることからミスリードを回避するために今回見送られました。

しかし、下期の受注も上期並み(上期の半導体製造装置の受注額は3930億円)の高い水準が続くことに加え、来年も3D NAND向けやロジックの最先端向け投資などでプラス成長が見込まれる事業環境が続くなか、来期も半導体市場の伸びを上回る成長を目指すとの強気のガイダンスが会社側からは示されています。

金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

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