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(写真=PIXTA)

中国政府がインターネット放送(生放送、コンテンツ放送共)に関する管理規定を発表した。自由自在に映像を配信されていては、現体制として脅威なのである。政府統制にかからない映像表現は我慢できないようだ。

しかし「規定」の解説記事は「管理とは業界を締め上げるためのものではない。業界の“健康発展”を図るものである。」としている。インターネット放送に、“道徳のボトムラインと法律のレッドライン”を策定し、積極的に健康なインターネット生態を創造する。そして業界の秩序ある発展を促進していく。そのために資する規定らしい。

問題映像で1万7000人近くを捜査

国家互聯網信息辯公室は11月4日、インターネット放送サービス提供者を規制対象とする「互聯網直播服務管理規定」を公布した。彼らに対し、企業主体としての責任、健全な情報審査、応急処置(放送事故対応)制度、放送者の実名認証、黒名単(ブラックリスト)管理制度の確立、などを義務付ける。12月1日から正式に施行される。

食事の様子を放映して1日1万元稼ぐ者や、睡眠の様子を放映して憚らない者など、ネット放送は猛発展、急進歩を遂げ「全民時代」に入った。不完全な統計だがインターネット放送サービス会社は300社を超えるとみられ、現在も日々増殖中だ。しかし“野蛮な成長”を遂げ、問題映像の流出も頻出している。

多くの業者は、利潤動機にかられると、禁止されているエロ、暴力、流言や詐欺などを放映することをいとわない。実際に今年7月、北京、上海、広東省などで検査を行った結果、26社の放送内容に問題があり、出演者を含む1万6831人が捜査対象となった。流出する問題映像は公正な市場競争環境や社会管理秩序に対する攪乱要因となっている。

法律、規定の遵守を求める

「規定」は新規参入も含め野放しだったこの業界に、法律、法規の遵守を求め、インターネット文化の向上、健康的発展に寄与することを求めている。そしてネット放送を、国家安全に対する危害、社会穏定の破壊、社会秩序の攪乱、他人の合法権益侵犯、そしてエロなどの禁止行為に使用することはできないとした。

またチャットによる意見表明ややりとりは、この形式にはる非常に重要な表現方式だが、「規定」はこれに関しても、管理が必要として、管理人員を配置するよう求めている。議論の逸脱は必ず監視しなければならない。チャットは若者の好む面白く生き生きとした表現であふれている。しかし一方で主流価値観から離れた偏った表現も見られる。性差別、地域差別、低俗文化を助長するような内容である。これらは青少年の成長を侵蝕するものだからだ。

管理体制を確立しても……

今後、インターネット放送サービス提供者は、実名認証を必要とする。また「規定」に反した者を、サービス提供者、利用者とも登録するブラックリスト制度を確立しなければならない。ブラックリスト入りした提供者は再び放送に関与できず、同じく利用者は、再び視聴できないよう処置する。

そして最後に、公衆はインターネット放送の参与者であるとともに監督者でもあらねばならないと結んでいる。たしかにそうでもしない限り、5年前の調査ですでに3億2500万人に達しているインターネット放送視聴者を管理するのは不可能だ。

政府による個人の管理はインターネット時代に至ってすでに限界を突破した。この「規定」もどこまで効果が上がるかはまったく分からない。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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