(写真=Thinkstock/GettyImages)
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日本は世界有数の地震国である。ここ数年の間にも、2011年の東日本大震災や本年の熊本地震など、甚大な被害を生んだ地震が複数回発生している。

大規模な地震を想定したとき、最も守るべきは自分や家族などの人命であることは言うまでもないが、多くの方が、次いで案じるのが「住居」ではないだろうか。近年の震災時も、地震によって住居が破壊され、体育館などの公共施設で避難した被災者が身を寄せ合っている光景がTVなどで頻繁に映し出された。

住居を奪われるということは、精神的なダメージはもちろん、その後の生活を考えたうえでも、非常に大きな経済的なダメージを被災者に与えうるものだ。そのような事態を想定したとき、有効な対策となるのが「地震保険」だ。


地震保険とは

地震保険とは、文字通り地震により住居等が被害を受けたときに、金銭的な補償を受けることができる保険商品である。地震による被害とは、単に地震でもたらされる“揺れ”のみならず、地震に起因する火災や津波、噴火、土砂崩れといった災害などによるものも含まれる。また、住居=建物の被害だけではなく、建物内にある家財も地震保険の補償の対象だ。

日本では、一般に住居の購入が人生最大の買い物であるといわれており、またそれ故に世帯の資産が住居そのものに一極集中していることが非常に多い。つまり、住居を失うことは、単に住む場所がなくなるだけではなく、資産の大半を失うこととほぼ同義といえるのだ。

住居や家財の被害をカバーする、すなわち世帯の資産を補填してくれる地震保険は、世界屈指の地震大国である日本に住まう人であれば、誰しも検討する必要がある保険だろう。

しかしながら、現実として、地震保険に加入している世帯は日本全国で3割にも満たない。その最大の理由は、地震保険は火災保険とセットでなければ加入できない仕組みになっているということだ。火災保険に入らない世帯はほぼないだろうが、地震保険を付帯すると総体として保険料が上がってしまう。

ゆえに、加入が低迷しているのだ。しかしながら、すでに述べた通り、地震保険はいざという時に金銭的な保障を与えてくれる有効な手段だ。目先の保険料にとらわれず、よく考えていただきたい。

地震保険の相場はいくら

実際に地震保険の相場はどうなっているのだろうか。実は、会社ごとによる保険料の違いというものはない。なぜなら、地震保険は国と、民間の損害保険会社が負担を分け合う公的制度の側面をもつものだからだ。

では、保険料の差はどこから生まれるのか。地震保険の保険料は、もっぱら建物の「構造」の違いと「所在地」の違いによって定められる。構造の違いとは、つまり「燃えにくさの違い」だ。当然ながら、鉄筋などの燃えにくい構造の方が木造よりも保険料は安い。そして所在地の違いは、「地震の頻度の違い」だ。統計的に地震が起きやすい地域ほど保険料は高くなる。

これらの基準に照らし、保険料は定められる。財務省の情報によると、保険金額1000万円あたりにつき、東京や神奈川などの都心部では耐火構造で約2万円、非耐火構造で約3万円となっている。一方、比較的安い島根県や岡山県などの中国地方では、耐火構造で6500円、非耐火構造で約1万円だ。これをみると、非耐火構造の差が顕著といえる。

シミュレーションとして、東京に5000万円の住居(非耐火構造)を購入したとしよう。そこで、地震保険の保険金も5000万円にしたと仮定すると、「東京かつ非耐火構造」の住居の場合、保険料は年間15万円ほどにもなる。一方、同じ住宅価格・非耐火構造でも、中国地方ならば5万円で済む。

つまり、どこにどういった住居を建てるか、購入するかによって、地震保険の保険料の相場観は大きく変わってくるといえる。

地震保険再値上げの内容と影響

地震保険が国による公的制度の側面をもつことは述べた通りだが、この保険料は地震発生予測のデータの改定と共に適宜見直されていることに注意が必要だ。例えば、直近では、2014年7月に従来の保険料から全国平均で約15.5%の値上げが行われた。

「平均」としたが、構造や所在地によっては20%~30%の値上げとなっている区分もある。仮に月1万円の保険料であれば、1万2000円~1万3000円にもなってしまったということだ。これは、まったくもって無視できない価格差だろう。

さらに、2017年1月からも再度の値上げが行われる。これにより、段階的に現在の保険料から平均で19%の値上げが行われる。2014年7月より前と比較し、2017年1月までに平均で35%以上の上昇率になってしまうのだ。

こうした値上げ改定は、やむを得ない側面が大きいとはいえ、地震保険を検討したい方にとっては、その意思を鈍らせるのに十分な影響があるだろう。

値上げの対処方法と注意点

では、値上げに対してはどのように対処すればよいのか。最も有効と考えられるのが「保険期間」の見直しだ。地震保険は最長で5年間の保険期間を選択できる。つまり2017年1月より前に現状の保険を見直し、見直した保険で「5年間」の契約期間を選択すれば、少なくともその5年の間は保険料が据え置かれるのだ。

一方で注意が必要なのが、所在地によっては少数ながら保険料が「引き下げ」となる区分も存在することである。拙速に保険期間を更新する前に、自らが加入している保険料が上がるのか・下がるのか、きちんと見極めたうえで対処しよう。

最長5年間の保険料の据え置きは、逆に言うと「保険料値下げの改定があった場合も、高いままで保険料が維持される」ということでもある。今般の地震発生状況を鑑みると、幸か不幸か「値下げ改定」をあまり心配する必要はないかもしれないが、地震保険の加入や更新を検討する場合は、そうした点も頭の片隅にとどめておこう。(ZUU online 編集部)

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