タカタ、エアバッグ問題への対応で債務の私的整理を検討

それでは低PERランキングの中から、タカタ、さが美、富士石油の3銘柄を取りあげたい。

タカタはシートベルトやエアバッグなどを手掛ける自動車部品大手。エアバッグのリコール問題で経営が悪化したことが、株価にも影響していた。

11月4日公表の2016年9月中間決算は、円高の影響で減収となった。ただ、アジアなど海外の事業が増益だったため、営業利益や経常利益は従来予想を上回った。米国子会社の売却で、純利益も前年同期の赤字から黒字に転換した。

タカタは決算発表にあわせて、エアバッグのリコール費用について取引先の自動車メーカーと協議し、私的整理により再建を目指す方針を明らかにした。経営再建を支援するスポンサー選びも進行中だ。入札では化学メーカーのダイセルを中心とした陣営が最高額を示したとされるが、他の陣営を推す声もあり最終決定はしていない。

さが美、対抗TOB不発で反落

さが美は呉服専門店チェーン。流通大手ユニーグループ・ホールディングス(現ユニー・ファミリーマートホールディングス)の子会社だったが、同社のコンビニ大手ファミリーマートとの経営統合に伴い、さが美との資本関係は解消されることが決まった。

投資ファンドのアスパラントグループがユニー保有のさが美株をTOBで取得した。TOB価格は相場を下回る1株56円。TOBをめぐっては、投資ファンドニューホライズンキャピタルも1株90円での買収を提案していた。株式市場では買収合戦になるとの思惑から買いが集まり、9月下旬に一時206円まで上昇した。

しかし、10月中旬にユニー・ファミリーマートホールディングスは、アスパラントグループが示していた条件でさが美株を売却した。ニューホライズンキャピタルは異論を唱えたものの、対抗TOBは実施しなかった。TOB不発を受けてさが美株は下落し、現在は100円近辺で推移している。

富士石油、原油価格低迷も期末復配目指す

富士石油はアラビア石油と旧富士石油が経営統合した石油精製販売会社。

11月9日に発表した富士石油の9月中間連結決算は減収となる一方で、営業利益は黒字となった。原油価格低迷の影響により売上高は伸びなかったが、前期に実施した製油所の定期修繕が今期はなかったため利益は黒字化した。

通期純利益予想は97億円(従来110億円)に下方修正したものの、黒字化の達成により、今期末には会社側が表明している2期ぶりの復配(1株6円)が実現する見通しだ。(ZUU online 編集部)

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