通期で営業黒字に転換する見通し

11月1日、シャープが発表した2016年3月期の中間期決算は、液晶ディスプレイの販売減などが響き、売り上げは9197億円と前年同期比で28%減少した。

一方で本業の利益を示す営業利益は7900万円と小幅ながら前年同期の251億円の赤字から黒字に転換。売り上げが28%も減少する中で営業利益を黒字にするのは並大抵のことではない。それだけ鴻海のリストラ策が効果的だったのだろう。当期純利益はリストラコストを計上しているため454億円の赤字だった。

注目されるのは、同日発表した通期予想だ。売り上げは19%減の2兆円ながら、営業利益は257億円の黒字と大幅に回復する見通しである。本業の営業利益が黒字化する意味は大きい。通期の純利益は418億円の赤字予想ではあるが、下期だけでみると36億円の黒字になる。

ヒット商品を生み出す「企業文化」を取り戻せるか?

シャープは2018年3月期に通期の純利益で黒字化を達成し、東証1部復帰を目指すという。成長のドライバーは重点事業への積極投資、鴻海とのシナジー発揮、さらなる経営効率の向上だ。

重点事業としては、有機ELディスプレイのパイロットラインへの投資をすでに決めており、今後もIoTをベースに競争力の高いコアデバイスや製品ラインナップの拡充に努め、新しいビジネスモデルの創出に向けた協業体制を築いていくとしている。

かつてヒット商品を次々と生み出した企業文化を、シャープは取り戻せるのだろうか。グローバルブランドとして名実ともに「さすが、目の付けどころがシャープだ」と再び評価される日が来るのだろうか。その動向を見守りたい。(ZUU online 編集部)

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