LINE田端信太郎氏の発言がTwitterを中心に話題となった。「電話が失礼に値する」のかどうかというものだ。
LINE上級執行役員・田端信太郎氏とは?
田端信太郎氏はLINEの上級執行役員で、『MEDIA MAKERS』(宣伝会議)なる著書を持つほか、フリーペーパーR25の立ち上げに関わった、メディアのプロだ。Twitterではプロフィール欄には「戦略から下ネタまで」と書くなど、政治、経済、社会問題からIT分野、男女関係まで多岐にわたって発言をしている。
2016年11月5日に田端氏が、とある個人事業主のブログの『「メールが失礼で、電話が丁寧」という一部の感覚について。違うんだよ。まずはメールしてほしい』に対する感想を述べたことだ。
田端氏はいくつかに分けてツイートをしており、「受信相手が好みそうなコンタクトを選べるかが大事」「個人間の時間の為替レートは等価ではない」旨の発言をしている。
この発言に対してリツイート(自分のツイッターでも発言を紹介する方法)や、いいね(お気に入りする方法)が瞬く間に増えた。1週間たってその伸びは落ち着いたが、リツイートもいいねも1000を超えている。
電話がなぜ失礼になりえるか?電話とは個人間における時間の為替レートが等価だということを前提にしたコミュニケーション手段だからだ。年収400万の人と年収3000万円の人の1秒は、等価ではない!メールやLINEなら、相手が1時間かけた投稿に3秒で答えても、内容が適切ならばそれでOK。
— 田端 信太郎 (@tabbata) 2016年11月5日
話題の中心は「いきなり電話は失礼なのか?」
議論の中心にある問題はブログのタイトルにもなっている「メールが失礼で、電話が丁寧なのか?」である。
賛同する側の意見をみると「この意見は当たり前」「電話は聞き取りづらい」「メモが必要」といったものが多い。総括すると「電話は仕事を遮られるため、メール等で連絡してほしい」というものだろう。
電話を受けると一時的に作業を中断せねばならない。本業が別にあって、それとは異なる仕事が入れば誰だって不満が溜まるだろう。
電話は発信者主義のコミュニケーション方法なのだ。発信者の都合によって受信者の仕事が遮られるようなことがあれば、それは確かに失礼に値するのかもしれない。
電話を優先すべきだとする意見もみられる
「電話は失礼ではない」とする反対意見もある。だが反論の中心は本義とは異なる点に多い。具体的には「時間の為替レート」に対する意見だ。
「こんな発言する人と関わりたくない」「年収が多い人なら、年収が少ない人に電話していいのか?」とする発言が多いが、本義はそこにない。あくまで電話は失礼であるが主題である。
その中でも電話を優先すべきだとする意見はみられる。「急用の場合には電話が必須」「少し前は電話するのが礼儀だった」というのだ。
結局のところは発信者主義である点に違いはない。注意すべき点は「緊急性の有無」がある事だ。内容次第では、電話で早く伝えるべき話題もある。こうした話題であればメールよりも電話の方が有効な手段となるのだ。
「電話が基本と考えている」世代もいることに注意もすべきだろう。今でこそメールやその他のコミュニケーションツールも増えてきたが、中には電話しか使えない人もいる。考え方・価値観の変化に気づいていない人もいるので気をつけたい。
最近主流のコミュニケーション手段はどれ?
最近では電話以外のコミュニケーションツールも増えた。メールはもちろんのこと、本記事冒頭で紹介したLINEもそうだ。その他にもチャットワークやFBメッセンジャーなどあげればキリがない。
これらのソフト・アプリについては紹介しない。パソコン・スマホが一般的に普及しだしてから、ますます多様化し、目覚ましい進歩を遂げている。
こうしたコミュニケーションツールの多くは受信者主義のコンタクト方法だ。受信者のタイミングによって文章を開封し、内容に返信ができる。
発信者からすると返信がいつ来るのか分からないが、相手の時間を奪わないで済むのが利点だ。これであれば発信者の都合によって受信者の仕事を妨げるようなことにはならないだろう。
相手が望んだコミュニケーションを選ぶ
結局ところ、どのコミュニケーション手段がいいのかは「相手によって異なる」ようだ。相手が電話で連絡してほしいと言うのであれば、電話すべきだろうし、逆もまたしかりである。
これは田端氏も同じことをツイートしている。この議論では「普遍的な正解はない」「相手を見て、その人が好みそうな手段を選べるかが大事」とのことだ。この点が現代ビジネスコミュニケーションにおいて必要不可欠と言えるだろう。
こうした社会的な変化に目を向ければ、必ずしも「コミュニケーションツール=電話」という方定式は成り立たない。コミュニケーション手段が多様化している事実を受け入れたうえで、相手が望むコミュニケーション手段を使ってあげることこそ、トラブルを起こさない秘訣である。(吉田昌弘、フリーライター)
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