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(写真=PIXTA)

新車でも中古車でもクルマを買うなら底値で買いたいと誰もが思うはずだ。実際、一年の中で最も値引きが期待できる時期はあるのだろうか。今回はクルマのお買い得な時期について考えてみたい。

新車は3月、6月、12月を狙え

新車を買うなら、原則として3月、6月、12月は狙いどきだ。3月は決算期、6月と12月はそれぞれ夏と冬のボーナス商戦に当たるからだ。売る側に立って物事を考えてみればわかりやすい。決算期は会社の業績を上げるために、ボーナス時期は消費者の財布のひもが緩みがちであるので値引きをしてでも台数をさばきたいとなるわけだ。

次年度への影響を考えれば、会計上有利になることがたいへん重要であり、各社に競争力が生まれ、値引きは加速していく。決算キャンペーンなどはテレビCMやWebサイトで大体的に告知されるので、消費者側はこれを利用しない手はない。

だが注意点もある。まずは登録の時期だ。例えば2014年に5%から8%への消費増税があったが、これは3月の決算期にあたっていた。クルマは契約時ではなく登録時に税率が決まってくるから、納期によっては8%になってしまうということだった。

ただし、販売店の方も十分理解をしていたので、消費増税後の値引き率をあげる、下取り価格を上げる、またオプションのサービスなどで対応があったので総体的に見ればどちらが得かというのはあまり変わりがなかったかもしれない。そして、12月に新車を登録してしまうとその年度になってしまうため下取り価格を考えるならば、次年度となる1月以降に登録をした方が良いかもしれない。

あえてリコールが出た自動車メーカーのクルマで探してみるというのも値引きだけの観点ならありと言えるだろう。最近で言えば三菱自動車やフォルクスワーゲンなど、リコールが出たモデルではなくとも、大幅な値引きが期待できる。顧客の信頼を取り戻すのが第一という時期なので、アフターサービスの点においては心配ないと言えるのではないだろうか。

中古車なら逆張りで

中古車を買う場合は買い方にコツがいる。中古車は元から価値が下がっている分だけ値段は安くなっているのでそこからさらに安く買おうとするには、それなりのテクニックが必要になるということだ。もちろんケースにはよるが、中古車は基本的に逆張りの発想で目当ての1台を買うほうが良いだろう。

要は需要が少ないものや時期を選んでいくということだ。先ほど新車の買い時について述べたが、その時期は需要が高まる時期でもある。特に2月から3月は、4月からの新生活を迎えている。そこから1〜2カ月あけた5月頃は、中古車の値引きが期待できる時期となる。1年を通じて時期的に言うことができるのは5月くらいで、あとは販売店や新車の売れ時によって変わってくるため、個別に見ていくしかない。

それよりも良い状態の中古車を安く買うには「いかに不人気であるか」に目を向けた方が良い。冬に必要なことが多い4WD車は夏に、オープンカーは冬に、人気のある黒・白・シルバーではなく、不人気だった色のボディを買うなどである。

他にも現在人気のエコカーやSUV、ミニバン、またはレザーシートなど人気のオプションが付いている車を避けるなど、トレンドに逆行する考え方も中古車を安く購入できる要素となる。

フルモデルチェンジの発表があると、旧型の価格は下がる。やはり新型が出ると、なかなか旧型モデルには手を出してくれないものだ。特に自分が狙っていたモデルがある場合は、フルモデルチェンジまで待つというのも一つの手である。

新車であっても中古車であっても、結論としては、情報の集め方と決断力が重要となる。比較サイトなどで値引き相場がいくらくらいなのか常日頃から知っておくことで、よりお得に車を買うことができるだろう。(モータージャーナリスト 高橋大介)