チャートはトレンド転換を示唆する?

その後、JALの株価は10月14日の安値2929円を底に上昇し、12月2日には3423円の高値をつけた。安値からの上昇率は17%程度だが、週足チャートで5週移動平均線が13週と26週線を上回るゴールデンクロスを示したほか、まもなく13週線も26週線を上回りそうな気配だ。チャートを見る限り、トレンドが転換する可能性が高まっている。

先に述べた通り、今期は減収減益が見込まれるうえ、原油価格も11月30日のOPEC総会で8年ぶりの減産合意となったことで、50ドルを超えてきている。にもかかわらず、このタイミングでJALの株価が上昇しているのはなぜか? その理由の一つとして、筆者が注目したいのが冒頭で述べたバフェット氏の存在である。

バフェット氏が米国の航空会社を買いまくる

11月14日、バフェット氏が率いる運用会社バークシャー・ハザウェイ社が、9月末時点でアメリカン航空など米航空大手3社の株式を新たに購入していたことが明らかになった。

具体的には、7〜9月にアメリカン航空を7億9702万ドル、デルタ航空を2億4930万ドル、ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスを2億3785万ドルで購入している。さらに米経済専門チャンネルのCNBCは、9月末以降にサウスウエスト航空の株式も購入したと報じている。

バフェット氏による航空株の買いは、大きなサプライズとして受け止められた。米国市場では「バフェット・ウォッチャー」と呼ばれる同氏を崇拝する投資家の買いを集め、エアキャリア株が人気化したとも伝えられている。

実際にバフェット氏がJALの株を購入したかはさておき、同氏の米航空大手株の購入が伝えられる中で、「バフェット・ウォッチャー」による連想買いがJALに入っていたとしてもまったく不思議ではない。折しも、日本発の旅客を対象とした燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)が10カ月ぶりに復活することが決定するなど、環境変化も見られる。

バフェット氏は割安株投資・長期投資のスタンスで知られるが、JALの株価が息の長い上昇トレンドを描くのかどうか。今後の展開から目が離せない。(ZUU online 編集部)

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