公的年金を受給している場合、毎年1月中旬~下旬にかけて、日本年金機構から前年度の「公的年金等の源泉徴収票」が郵送されてくる。この源泉徴収票はどのように見ることができるのか、また、紛失してしまった場合などに再発行はできるのかについて解説する。

源泉徴収票とは

収入の金額や支払った保険料、扶養控除、生命保険料控除などが記された紙を「源泉徴収票」と呼ぶ。会社に勤務する給与所得者は、源泉徴収票を使って自分の年収を確認したり、支払った各種税金を確認したりすることができる。

また、給料以外の収入があり、確定申告をする場合には、毎年2月~3月の確定申告の時期に源泉徴収票を提出する必要があるので、その時期まで保管しておかなくてはならない。

退職し、年金だけで生計を立てている場合も、年金収入以外に収入がある場合も、個人事業主や給与以外の収入がある会社員と同じく自分で確定申告をする必要が発生する。

受け取った公的年金等の源泉徴収票を保管し、2月中旬~3月中旬の確定申告に備えよう。

ただし、2011年度分の確定申告から、公的年金等の収入が年間400万円以下で公的年金以外の収入が20万円以下の場合は、年金受給者は確定申告をする必要がないとされる確定申告不要制度が導入された。

自分が確定申告対象者なのかどうか見極めてから、確定申告の手続きに臨みたい。

いつ送付される?再発行はできる?

公的年金等の源泉徴収票は毎年1月中旬~下旬にかけて、日本年金機構から郵送されてくる。日本年金機構から郵送されてくる書類はこの源泉徴収票だけではない。

誕生月に年金記録のお知らせが記された「ねんきん定期便」、6月頃にその1年間の年金支給額の案内、また随時、年金支給額に変動がある時にも年金支給額変更の案内等が折々に、封書や圧着式のハガキで郵送されてくる。

日本年金機構のサイトでは、公的年金等の源泉徴収票の発送開始のお知らせを約1か月前、つまり12月の中旬ごろから行う。いつから送付されるのか気になる人は、こまめに日本年金機構のサイトのお知らせページをチェックすると良いだろう。

源泉徴収票の再発行は可能

公的年金等の源泉徴収票を紛失した場合、また、再発行を希望する場合は、公的年金に関する問い合わせダイヤル「ねんきんダイヤル」から源泉徴収票の再発行を依頼することができる。

その際、基礎年金番号が必要になるので、必ず手元に基礎年金番号が分かる書類を準備してから、ねんきんダイヤルに電話しよう。

時間帯や曜日によっては電話が混み合い繋がらないこともある。日本年金機構のねんきんダイヤルページでは混雑予想に関する情報も記載されているので、電話を掛ける時間帯が限られている場合はチェックすることをお勧めする。

再発行を急ぐときは

ねんきんダイヤルで再交付を依頼すると、約2週間後に源泉徴収票が自宅に送付される。急ぎの場合は、年金事務所や「街角の年金相談センター」に、年金手帳や年金証書等の日本年金機構が発行した書類と、運転免許証などの本人確認ができる書類を持って出かけよう。

本人が出向くことができない場合は、代理人が源泉徴収票の再発行手続きを行うことも可能だ。源泉徴収票が必要な年金受給者の年金手帳等の日本年金機構が発行した書類と委任状、代理人の運転免許証などの本人確認ができる書類、源泉徴収票が必要な年金受給者の印鑑を持っていき、再発行の手続きを実施する。

源泉徴収額の求め方

公的年金等の源泉徴収票は、圧着式はがきで郵送される。丁寧に開くと、左側中央部に「源泉徴収税額」が記されている。これは年金から源泉徴収された所得税で、次のように計算して求めらる。

扶養親族等申告書を提出した場合

(年金支給額-社会保険料-各種控除額)×5%

退職共済年金の受給者かつ65歳以上で扶養親族等申告書を提出した場合

{退職共済年金支給額-社会保険料-(各種控除額-4万7500円×共済年金月数)}×5%

扶養親族等申告書を提出していない場合

(年金支給額-社会保険料)×75%×10%

源泉徴収票に関心をもとう

確定申告をしない人にとってはあまり意味がないと思われがちな源泉徴収票。だが、読み解くことで、どのような控除が適用されているのか、自分が納めている税金額はいくらなのかを知ることができる。

2013年1月28日からはインターネットサービス「」でいつでも源泉徴収票を閲覧できるようになった。印刷しても確定申告の添付資料としては利用できないが、お金の流れを管理するために有効に活用したい。