年金,年金 種類
(写真=Thinkstock/Getty Images)

年金に加入していること自体を認識していない人は恐らくいないだろう。しかし、どの年金に加入しているかを即答できる人は果たしてどれくらい、いるだろうか。実は、一口に年金と言ってもその種類は様々である。例えば会社員なら国民年金と厚生年金に加入していることになるが、国民年金と厚生年金の違いを説明できる人は少ないのではないだろうか。今回は、そんな年金の基本的な種類と特徴について解説していきたい。


年金には何種類あるの?

年金は大きく分けて公的年金と私的年金の2種類に分類される。公的年金は加入が義務付けられている年金であるのに対し、私的年金は国以外の組織が運営する任意加入の年金である。公的年金には国民年金、厚生年金、共済年金の3種類がある。

一方、私的年金は、国民年金基金や確定拠出年金、厚生年金基金など種類は多岐にわたり、企業年金もこの私的年金に分類される。これらは国民年金や厚生年金、共済年金にさらに上乗せする年金で、「3階部分」と呼ばれている。さらに、保険会社の商品の一つである個人年金保険も私的年金であり、これは「4階部分」に該当する。

このように、基礎的な年金に加え、個人によって加入している年金の種類は大きく異なるのである。

全国民が加入している国民年金

国民年金は、全国民に加入の義務がある公的年金である。年金の1階部分と言われる、いわゆる基礎年金のことである。この基礎年金に、厚生年金や各種私的年金を上乗せしていくのが一般的である。

国民年金は20歳から60歳までの期間、保険料の払い込みを行う。原則65歳から年金の支給が始まるが、60歳から、もしくは65歳を過ぎてからの受給も可能である。60歳から64歳11か月までに受給を開始した場合は、開始時期に応じて年金額が減額される。また65歳を過ぎてからの場合には、支給開始時期を反映して支給額が増加する。

国民年金の保険料は全国民一律である。受給要件は、現在は25年間の加入期間が必要となっているが、2017年9月には加入期間が10年間に短縮されることが決定している。受給額は加入期間によって異なる。現在の満額は年額78万100円(月額で約6万5000円)であり、20歳から60歳になるまでの40年間、免除等を受けずに保険料を払い続けた場合にのみ、満額支給となる。

所得に応じて保険料が変わる厚生年金

厚生年金も公的年金であるため加入の義務がある。とはいえ、こちらは国民全員ではなく、厚生年金保険の適用を受けている会社に勤務している全ての人に加入義務があるということである。パート勤務の人でも、厚生年金の加入対象となる場合がある。

厚生年金が適用される事業所には強制適用事業所と任意適用事業所の2種類があり、株式会社などの法人事業所は強制適用事業所となる。常時5人以上の従業員のいる個人の事業所も、農林漁業、サービス業などの場合を除き、強制適用事業所となる。強制適用事業所でない場合でも、従業員の半数以上が厚生年金保険の適用事業所となることに同意し、事業主が申請後、厚生労働大臣に認可を受けることで、任意適用事業所となることも可能だ。

厚生年金は基礎年金(国民年金)に上乗せする形で年金の2階部分を担っている。その最大のメリットは、保険料が事業主(会社)と折半になることだろう。つまり、厚生年金保険料は毎月の給与から天引きされているが、天引きされた額の2倍の保険料を納めているのである。

厚生年金の保険料の額は、所得に応じて決定される。所得に応じて1から30までの等級があり、その等級に応じた保険料が設定されている。等級と加入期間により厚生年金の支給額は決定される。国民年金と異なる最大の点は、所得により保険料の額が異なるため、年金支給額が増減するという点である。

公務員が加入する共済年金

ご存知の方も多いと思うが、公務員や私立学校教職員には厚生年金という制度がない。その代わりに共済年金に加入する。共済年金も厚生年金と同様、2階部分の年金制度に当たる。国家公務員は国家公務員共済に、地方公務員は地方公務員共済に、私立学校の教職員は私立学校教職員共済に、それぞれ共済組合員として加入し、保険料を納めることになる。

共済年金もまた、加入期間と所得が年金額に反映される。これまで共済年金には独自の制度として「職域加算」というものがあった。職域加算は年金の「3階部分」であり、同じ期間、厚生年金に加入している人よりも支給額が加算されていた。2015年にこの制度は廃止されたものの、新たに「年金払い退職給付」という制度が新設された。

年金払い退職給付は、退職年金、公務障害年金、公務遺族年金の3種類に分類される。制度の名称こそ変わったが、そのメリットは残されているといえる。

あなたは何階建て?

今回は、公的年金を中心に、その違いについて紹介してきた。それ以外にも、私的年金まで話を広げれば、またそれぞれに特徴がある。まずは、基本的な年金の仕組みを理解した上で、ぜひ私的年金についても理解を深めていただきたい。そして、あなたは何階建ての年金を構築し、老後に備えていけば良いのかも、これを機に検討していただきたい。