伊藤嘉洋,株式相場見通し,掉尾の一振
(写真=Thinkstock/GettyImages)

日経平均予想ジ レンジ 19,258 ~ 19,800 円

今週は、先週までの9連騰で高値警戒感が強まる中、日銀会合を無難に通過したことで安心感が広がった。日経平均はNYダウの史上最高値更新や円安基調を好感して、昨年12/18以来19,500円台水準を回復し、年初来高値を更新した。

海外の焦点

NYダウは2万ドルを目前に騰勢一服となった。NYダウの騰落レシオは、大統領選前の11/4には78.3に低下したあと、トランプラリー出現と共に12/9、133.4に急上昇しただけに上昇一服になりやすい。近年の騰落レシオの推移は80を切るとボトム圏を示し、130を上回ると高値警戒感から調整色が強まっている。

今回は過熱シグナルに敬意を表し、日柄調整で過熱感を冷ます可能性が考えられる。そうした中、ロシアの駐トルコ大使銃撃やドイツベルリンのトラック突っ込み事件など、テロの可能性もある地政学リスクが意識されたが、影響は限定的であった。

また、イエレンFRB議長は、米労働市場は過去およそ10年で最も強いとの認識を示し、労働市場に前向きな発言を述べたことで、米国経済は緩やかな回復基調を辿っているとの見方が相場を支えそうだ。

国内の焦点

日銀金融政策決定会合(12/19、20)では、短期金利をマイナス0.1%とし長期金利をゼロ%程度にする「イールドカーブ・コントロール」政策の現状維持を決定した。ETF・REITなどの資産買い入れ額や国債の買い入れペースについても、年間80兆円の文言を維持した。市場では景気見通しが上方修正され、年内のイベントを通過したことで買い安心感が広がっている。

テクニカル面では、17,727円(11/15)から日足で6つの窓を空けて上昇した。そのうち、18,502円(12/7)から3日連続で空ける「三空」を形成。相場格言では、踏み上げ相場の最終局面に現れ、売り迎えと言われる。

もし自律調整に転じた場合の下値目処として、上の2つ目の窓埋め18,765円(12/3)や3つ目の窓埋め18,502円(12/7)は相場次第だが、埋めに行くことは想定しておきたい。ただ、その場合円安基調に伴う業績改善期待や世界的なリスクオフの強まりが相場の下値を支え先高感を維持する構図に変わりはないと考えている。

来週の株式相場

以上、来週は年内最終週となる。良好な投資環境や業績改善期待を背景に掉尾の一振で2万円を目指す展開と捉えている。日経平均のレンジは、上値は昨年11月もみ合った19,800円付近が意識され、下値は新値3本足陰転値19,258円が目処となろう。

株式見通し

伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト