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見通し・戦略
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トランプラリーが続くのか?

外資系金融各社「世界経済見通し(2017年)」ゴールドマン、ブラックロック……

2017年見通し,世界経済
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「リーマン級」と言われた英EU離脱、「リーマンを超える」と言われたトランプリスクを乗り越え、株式市場では快進撃が続いている。とはいえ、トランプラリーが続くのかどうか、2017年の未来予想図は誰もが気になるところだ。そこで今回は、外資系金融機関が2017年の世界経済をどう見ているのか、各社の展望をざっくりと紹介する。

ゴールドマン、4つの転換を指摘

まずは“世界最強”ゴールドマン・サックス(GS)の展望から見てみよう。

GSは2017年を「転換の年」と位置付けて4つの転換を予想している。以下順に述べると、

1. グローバリズムからポピュリズムへの転換
カギを握るのは、もちろん、トランプ次期政権であり、経済政策の詳細や優先順位が評価される政権発足後の100日間が非常に重要となる。一方、欧州での選挙戦ではポピュリズムがより勢力を増し、ユーロ存続に懐疑的な見方が浮上しやすい。投資が先送りされ、成長を抑制する恐れがある。米国は保護主義を強める見通しだが、経済への影響を考えるには、中国など他国がどのような反応を見せるのかが重要だ。

2. スタグネーションからインフレーションへの転換
インフレが進むにつれて、実際のインフレ率よりもインフレ期待がより重要となる。リフレは株価にポジティブではあるものの、コストの上昇は収益の低下につながる。一方、リフレは国債にはネガティブであり、クレジット市場でのボラティリティを高めるかも知れない。金利の上昇が継続し、公益や生活必需品といったセクターにはネガティブな影響をもたらすだろう。

3. 金融政策から財政政策への転換
ECB(欧州中央銀行)や日銀の債券購入ペースは鈍化する可能性があり、ボラティリティの上昇やリスクオフを招くかも知れない。FRB(米連邦準備理事会)理事のポストに誰が指名されるのかは今後の金融政策の方向性を見極める上で重要だ。FRBの利上げペースは市場の予想よりも速くなる公算ありだ。秩序だってさえいれば、インフレは企業収益にプラスであり、株価を支援するだろう。

4.規制強化から規制緩和への転換
米国での金融規制緩和の動きは英国や欧州の金融規制にも影響するのではないか。金融規制の見直しが融資を押し上げ、金利上昇やドル高による引き締め効果を打ち消すだろう。エネルギーやヘルスケアは規制緩和による収益チャンスがある。英国のEU離脱は法令関連などの事務的コストを増加させ企業収益を圧迫することになる。中国は2017年秋の党大会へ向けて、改革よりも安定を重視することになるので中国発の混乱は起きないだろう。

GSの見通しでは、2017年の世界経済の成長率は3.2%と2016年から横ばい、米国は1.6%から2.1%へと成長を加速、ユーロ圏は1.6%から0.8%へ減速する。新興国では中国、インドで成長鈍化を見込んでいるが、ブラジル、ロシアがマイナス成長からプラス成長に転じるとした。

2017年上半期の米株式市場は「希望」が支配しS&P500は2400を目指すが、下半期は“恐怖”が広がることで2300へ低下する。2017年末のTOPIXは1600ポイントと予想している。

2017年に政策金利は0.75%引き上がられる見通しだ。トランプ政権の経済政策は金利の上昇を促し、ドル高となる。ドル高は新興国を苦しめる恐れがある。

「全能の神」のご宣託は新興国と日本

次に、世界最大の資産運用残高を誇る「全能の神」ブラックロック(BLK)の展望を見てみよう。

BLKが2017年の見通しで最も強調している点は、世界的なデフレの終焉だ。米国では労働市場のタイト化でインフレ率が上昇、他の先進国でも少なくともインフレ率は横ばいとなり、これは金融市場における大転換だとしている。

世界経済の成長鈍化は2016年に転換期を迎え、上昇に転じた模様だ。トランプ新政権の財政政策は成長を加速させるが、その大きさはまだ分からない。

2017年の株価は上昇を予想する。リフレで金利が底入れするので、債券より株式が魅力的だ。金融危機後の規制でリスクテイク能力が低下し、過去に比べるとリスク資産の投資は抑制されたままなので、現在の株価はバブルではない。金利はさらに上昇するので、公益のアンダーウェイト、金融のオーバーウェイトを推奨する。

アセット間の相関関係が不安定化しており、株と債券の逆相関など過去の相関はあてにならない。伝統的にはよく分散されたポートフォリオであっても、これまでのような分散効果は得られないだろう。

2017年の新興国はより高い収益機会を提供する。リフレは新興国の債券市場には支援材料だ。貿易摩擦や気まぐれな投資家のセンチメントを考慮しても、新興国がポートフォリオのリターンを高めることになるだろう。

2017年は円安が日本の企業収益を改善ざせる。日銀の長期金利ゼロ目標もポジティブな材料だ。

欧州でのポピュリズムが勢いを増しており政治リスクに警戒が必要だ。また、中国からの資本流出と人民元安も懸念している。人民元の大幅な切り下げが起こるとは思わないが、人民元安は続くだろう。中国からの資本流出の兆しがないかどうか、しっかりと監視する必要がある。

米系は総じて強気も欧州系はやや慎重

ゴールドマンの最強のライバルであり、予想を比較されることが多いのがモルガン・スタンレー(MS)だ。

MSの世界経済、米経済についての見通しはGSやBLKと大きな違いはないのだが、ドル高がインフレを抑制するとの見方から米金利の上昇を控え目に見積もっており、2017年末の10年債利回りを2.5%と予想している。ドル高、インフレ率の上昇、保護貿易が米経済の逆風とし、2017年の米GDP成長率は2.0%と控えめだ。一方、米インフレ率は2.4%と大方の見通しよりも高い数字となっている。

ドル高が逆風となり新興国への投資は大勢よりもトーンダウンしているが、景気の改善、高金利、緩和的な金融政策などを理由に、ブラジル、アルゼンチン、ロシアの債券を推奨している。

2017年末のS&P500は2300ポイント、TOPIXは1800ポイントと予想。ドル円は1ドル=125円まで円安が進むとしている。

シティバンク、バンカメ、JPモルガン・チェース

続いて、米銀御三家を見てみよう。

シティ・バンク(CB)の2017年末のターゲットはS&Pが 2325、TOPIXが1625だ。米景気はFRBが大幅に利上げを実施できるほどの力強さはなく、ドル高にも限界があるとしており、控えめな見通しとなっている。期待インフレ率の上昇が金価格を押し上げると見ており、2017年のレンジを1オンス=1225-1325ドルとしている。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)は2017年末のS&P500を2300と予想。原油価格(WTI)の2017年の平均値を59ドルとし、やや高めの予想となっている。2017年央の金価格を1250ドルとやや控えめに予想しており、米コアPCE(個人消費支出)物価指数は2017年末で1.9%上昇と比較的低い水準にとどまると見ている。

米経済に対して最も強気なのがJPモルガン・チェース(JPM)で、2017年末のS&P500のターゲットを2400としている。リスクはドル高で米企業収益を抑制する恐れがあるとしている。欧州は低成長ながらも安定した成長が期待できるとし、財政支援への期待から日本株を推奨している。新興国は、急激な通貨安とそれに伴うインフレが緩和されたことで、金融緩和を実施できる状況にあるとし、新興国の株価は先進国をアウトパフォームするとしている。

欧州系の金融機関見通し

最後に欧州系の金融機関の見通しを見てみよう。

クレディ・スイスの2017年末のターゲットはS&P500が2230、TOPIXが1430と大勢よりも低い。米10年債利回りも2.4%と控えめだ。金利の上昇と労働コストの上昇で、米企業収益の改善は期待を裏切ることになると見ている。

ドイツ銀行は2017年末のS&P500を2350と予想している。米金利は上昇するが、2017年末の米10年債利回りは2.3%とかなり控えめ数字を出している。貿易取引の停滞が世界経済の足かせとなるとしているほか、欧州での政治リスクをより深刻に受け止めている模様だ。

異論が少ないのがリスク?

最後にエッセンスをまとめると以下のようになる。

世界的にディスインフレからリフレへの転換を指摘する声が多く、長期的に低下してきた世界経済の成長率も2016年が底と判断されている。

濃淡はあるものの、方向性としてドル高、金利上昇、インフレ率上昇で一致しており、株価の見通しは堅調だ。一方、リスクは世界的な保護主義の高まり、欧州での政治リスク、中国経済のハードランニングで横並びとなっている。

リフレでリスクオンの流れとなっており、新興国が先進国をアウトパフォームするとの見方でも一致が見られる。また、円安を追い風に日本への投資を推奨する声も少なくない。

トランプ政権については期待と不安がともに過剰であるとの指摘が多い。財政政策につては公約のすべてが実行できるわけではない一方で、移民政策や貿易政策も過去の発言ほどには過激にならないとし、ネットではプラスとなる見通しだ。(ZUU online 編集部)

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