日経平均予想ジ レンジ 19,176 ~ 19,800 円
新年相場は、米中の良好な経済指標を背景に世界景気の回復期待から4年ぶりとなる大発会高となった。日経平均は19,594円まで買い進まれ、昨年来高値を更新した。その後、中国当局の資産流出規制やFOMC議事要旨でドル高リスクに言及するなど、円高進行が嫌気され伸び悩んだ。
年末年始の連休中は海外指標の発表が相次いだ。12月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.9となり、2013年1月以来の高水準。米12月ISM製造業景況指数は54.7と2014年12月以来の高水準を記録した。
大発会は3年連続下落していたため、年初の下げを警戒する向きもあったが、良好な内容で安心感が広がった。東京市場は、米利上げによる円安進行を背景に景気回復、企業業績改善が支えとなるシナリオは変わらないものの、海外株式や為替相場の影響を受けやすい局面は続きそうだ。
海外の焦点
NYダウは11月の大統領選挙後トランプ氏の掲げる規制緩和、大幅減税、巨額インフラ投資への期待の中、2万ドルを前に足踏みが続いている。これまで期待先行で上昇してきたが、1/11の記者会見や1/20の就任時の新政権の政策実現の見通しに加え、今月中旬から本格化する2016年10-12月期決算を見極めようとする向きは多い。
ただ、足元では19,900ドル台に出直り、再び2万ドルを狙える水準に到達した。年が明けて新たな資金が米株市場に流入しているとの観測もあり、2万ドル突破は時間の問題との強気な見通しも復活している。
国内の焦点
投資家動向では、海外勢が米大統領選後に現物で約2兆円買い越したが、12月第3週は1,947億円売り越し、やや勢いが止まってきた。例年1月は利益確定売りから売り越し傾向となっており、再び買い越しの勢いが戻り、日本株上昇の牽引役となるかが注目される。
チャート面では昨年末にもち合いを下放れ、下値模索懸念が高まったが、昨年高値19,592円(12/21)や5日線19,365円を上回ったことで、仕切り直しの形状となった。これにより、上値余地が広がり2万円挑戦への期待が強まってもおかしくない。
来週の株式相場
以上、来週は海外株式や為替相場を睨み、業績改善期待を支えに上値挑戦のエネルギー蓄積場面と捉えている。日経平均のレンジは上値は戻り待ちが多い価格帯の19,800円付近が意識され、下値は12/30窓埋め19,176円が目処となろう。
伊藤嘉洋
岡三オンライン証券
チーフストラテジスト